消えない愛で愛されてみたい

空ナイノ

消えない愛で愛されてみたい

堕ちた世界を滅ぼした大洪水でも


欲望を燃やし尽くした大業火でも


消えない愛を見てみたい


朝が訪れても


昼に殺されても


夜に呑まれても


消えない愛を見てみたい


いずれ地上が海に流されても


いずれ太陽が地球を覆っても


いずれ宇宙がゼロに散っても


消えない愛を見てみたい



――見てみたいけど、


試験管のガラス越しに光を透かして


ため息をこぼした


わたしを消えない愛で愛してくれるのは


わたし独りだけだ


わたしの世界は　わたし独りだけだから


試験管の中を漂う地球を見上げる


わたしはこのガラス越しの世界には


行けない


ため息をこぼした


この世界は　わたし独りだけだから


わたしを消えない愛で愛してくれるのは


わたし独りだけなのだ

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう！

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。（ログインが必要です）

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

消えない愛で愛されてみたい 空ナイノ @kara-noi

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

App Storeからカクヨムアプリをダウンロード

Google Playでカクヨムアプリを手に入れよう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ