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第19話 天才
僕のせいだ
何が次は僕の番だ
僕がディフェンスに集中していれば絶対ダイスケが止めてくれた
せっかくダイスケが頼ってくれたのに
僕は自分を責めた
みんな気持ちが落ち掛けたその時
「ドンマイドンマイ。まだ10分もある。大丈夫だ。落ち着いて行こう。」
村上コーチが笑顔で言ってくれたおかげでみんななんとか落ちずにすんだ
「ぜってー勝つぞー。」
セイギが叫ぶと
「ヨッシャー。」
「やるぞー。」
とみんな気合いを入れた
だが僕は自分のせいだと思って自信を無くした
相手はハルのゴールで勢い付きどんどん攻めてくる
こっちはケースケがリクに徹底的にマークされてパスも出せない
時間が無くなってくる
僕はさっきのミスを挽回したくて焦っていた
そんな僕の様子にハルが気付かない訳が無い
パスをもらったハルはトップスピードで僕に突っ込んできた
いつもなら体をぶつけに行くのだが足を出してしまいダブルタッチで簡単に抜かれてしまった
急いでタクミがヘルプに来る
ハルは中にパスを出して相手は完全にフリーでそのままシュート
ボールはゴールの右上の角に吸い込まれて行く
僕は何をやってるんだ？
僕のせいで負けるんだと思ったその時
ダイスケがそのシュートをダイビングキャッチ
弾くだけども凄いのにキャッチしてしまうなんて日本中探してもこんな小学生いるのか？
ダイスケはすぐに起き上がり
「ケースケー。」
まるでダイスケが止めるのを分かっていた様にケースケが走っていた
ダイスケは大人顔負けのスーパーロングパスで一気に全線に
しかしリクがピッタリマークしている
ケースケはそのロングパスをダイレクトでトラップ
ボールはリクの頭上を越えて前に
トラップ１つで抜いてしまった
そしてシュート
キーパーはシュートコースを塞ぎながら横になる
しかしこれはキックフェイント
ケースケはそのままキーパーをかわして無人のゴールにシュートを決めた
「ウオオオー。」
ケースケが吠えた
こんな彼を見るのは初めてだった
天才ケースケ
後にナショナル選抜に選ばれるのだがそれはまだ少し先の話である
ハルがボールを手で持ち急いで真ん中へ
すぐに試合再開
と同時に
ピッピッピー
試合終了のホイッスル
僕達はとうとうハル達のチームに初めて勝ったのだ
ケースケとダイスケがハイタッチ
みんな最高の笑顔だった
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