第10話 真面目ですから
学校から走って帰って来た
宿題は休み時間に終わらせた
「父さんにグラウンドで練習してるから帰って来たら付き合ってって言って。行ってきます。」
僕はグラウンドにマーカーを持って行きドリブルの練習をしていた
ボールタッチとリフティングの練習が終わった頃に父さんが来た
「今日スクールあるけど大丈夫か?疲れちゃうんじゃないか?」
と言ってきた
「スクールがあるから少しでも練習してスクール生相手に練習の成果を試したいんだ。」
僕はヤル気マンマンだ
父さんは嬉しそうに1対1の相手をしてくれた
少し休んで晩ご飯を食べてスクールに行った
「何か今日顔つきが違うな。」
本多コーチが言ってきた
「上手くなりたいんです。」
そう言うと
「good。その気持ちが一番大切だ。」
そう言って僕の背中を叩いた
1対1の練習でまずリクとやった
スクール生はみんな上手いけど特にリクとハルの2人はケースケやダイスケと同じく県選抜の選手で凄く上手い
今まで何度もやったがオフェンスでは簡単に止められディフェンスでは一瞬で抜かれて全く歯が立たなかった
僕のディフェンス
ボールを良く見ろ
相手を良く見ろ
リクが抜こうとした一瞬ボールが足から少し離れた
その瞬間に体をぶつけて強引に体を入れてボールを奪った
「……空、good。」
本多コーチが目を丸くして驚いてる
次はオフェンス
相手はハルだ
スピードの速いハルは一瞬で詰めてきた
その瞬間に大きめにボールを出して一瞬で抜いた
裏をかけば足の遅い僕が足の速いハルを抜けるんだと分かった
2人とも悔しそうにしている
「今日の空ヤバいね。」
「空は本当に真面目ですからね。まだまだ上手くなりますよね。」
コーチ達が話してるのが聞こえた
「もう1回やろう。」
「次は俺とやろう。」
なんだかみんなが認めてくれた気がした
僕の中で何かが変わり始めた
そんな日だった
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます