俺、神なんですけど

さわい おくる

創世神が自称神になった

「私はこの世界の創世神ゼロ。私はあなたのことを見守り続けていました。祈祷場へ毎日いらして、捧げ物をし、祈る。そんなあなたの姿に私は惚れました。どうか私と結婚してください。」

外界に降臨して、俺は意を決して彼女に気持ちを伝えた。きっとこれから幸せな生活が送れるだろうと確信しながら、彼女の答えを待つ。

彼女が長い沈黙から口を開ける。

「あっそういうのいいんで。まず、結婚してますし、あとあなたの顔も好みじゃないです。」

俺は全く予想もしていないことを言われて、動揺を隠せない。

「で、でもずっとお祈りしてくてたよね。俺のこと崇めてたんだよね?」

「あーそれは、姑にお供えしてこいって言われていやいや行ってて、別に私はなんとも思ってません。祈るのも、フリだけして面倒くさいなって考えてました。」

じゃ俺は、とんだ勘違いやろうってことになるじゃないか。俺の苦労は何だったんだ。

「あとそれと、さっきの新手のナンパですよね。いくら伴侶が欲しいからって、自分を神言ったらだめですよ。神様にも失礼です。」

彼女が、ここぞのばかりに追い打ちをかける。

「返事は?」

「はい。すいませんでした。」

俺の返事を聞いた彼女は満足にて帰っていった。

すると、突然

『称号、自称神を獲得しました。』

祈祷場に響き渡った。

俺創世神なのに、自称神って酷くないか。

誰だよこんな称号作ったやつ。

俺だったわ。

自分の作ったシステムで傷つくなんて悲しすぎる。

こうして創世神こと俺の初恋は終わった。

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