ワタシに似合った景色があった

ももいくれあ

第1話

夜の谷間に落っこちそうで、

慌てて手を引っ張った。

握り返してくれた手のひらが、

ポカポカしていて忘れてられない。

そんな夜があったコト、今ではぼんやり霞んでみえる。

朝の空気が澄んでいれば、澄んでいるほど息苦しかった。

精一杯の夜を乗り越え、迎えた朝は潤んでいた。

澄んだソラに駆けあがろうと、慌てて呼吸を忘れていた。

そんな朝があったコト、今ではぼんやり霞んでみえる。

霞んだ景色がキレイだった。

ワタシはワタシのありのまま、

霞んだ景色を飲み込んだ。

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ワタシに似合った景色があった ももいくれあ @Kureamomoi

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