暴食魔神の徒然なる生活~誰かこの飢えの満たし方を教えて~
矛盾ピエロ
序章 災厄の目覚め
第0話 お伽噺
むかしむかし、あるところに七人の
とてもつよい力を持った七人の兄姉弟妹はそのつよい力のままに世界中で大暴れしていろんな人たちに迷惑をかけていました。
ある者は多くの富と名声を望み、ある者はたくさんのご馳走を望み、ある者はたくさんの美しい者を求めました。
七人の兄姉弟妹が世界中を混乱の渦に飲み込んだ時、世界中のこまった人たちが協力して七人の兄姉弟妹を倒すことにしました。
しかし、七人の兄姉弟妹はほんとうにつよくて世界中の人たちががんばっても勝てませんでした。
そんな時現れたのが――
「ゆうしゃさま!」
愛しい我が子を眠りにつかせようと母親が絵本の童話を読み聞かせる。おとぎ話を静かに聞いてくれる我が子のまばたきの回数が多くなるのを確認しつつ、そろそろ寝そうかなと思っていると眠気を覚ますように我が子が叫んだ。
びっくりしつつも嬉しそうな我が子を叱ることも出来ずに乱れた布団を直すと語り掛ける。
「クーちゃんは勇者様が大好きなのね」
「うん!わたしおとなになったらゆうしゃさまみたいにつよくなるの!それでね、おかあさんをまもってあげる!」
「うふふ、それじゃあクーちゃんが大人になるの楽しみに待ってるわね?」
「うん!」
微笑ましい母娘の時間は続く。
おとぎ話の続きを愛娘は今度こそ静かに聴き入っている。やがて愛娘が眠りについたことを確認すると母親も電気を消し、童話「光のゆうしゃさま」を脇に置く。
明日からもこの平穏で幸せな日々が繰り返されることを自らが信仰する神に祈ってから母親も眠りについた。
やがてここではないどこか、暗い昏い地下深く千年の眠りから覚める者があった。
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