第17話酷インvs陽葵ちゃん2
「はあ? そうだけどそれがどうしたの?」
あっさり認める日吉……おかしか。太々しいにしてもここまで簡単に吐くなんて、変。
「あ、あんたねえ!」
「何であんなボッチのことで怒ってんの? そもそも今更どうにもならないわよ。海老名樹は私を襲った。これはこの学校では確定事項なの、覆すことなんてできないわ」
「しょ、証拠があれば……証拠があればみんなだって間違いに気づくッ!」
「ふ〜ん。証拠ねえ。例えば今の会話を録音してるとか?」
ギクリとする。バレとー。でも、録音データはそんままクラウドに上げとー。
例えスマホば奪われても証拠は残る。
「どうせクラウドに上げてるから証拠は万全に抑えたつもりなんでしょうけど……」
「証拠があれば潔白が晴らしぇると? あんた本気ね? 早よう間違いば自分の口から告白した方が罪が軽うなるばい?」
「ギャハハハハッ! あんた馬鹿? 学校もこっちの味方だっつうの! それにね。今、この体育館裏にはアンタと私達しかいないのよ?」
突然、体育館ん裏口が空いた。そしてそこには最悪な人物が立っとった。
綱島?
しもうた。誰もおらんて思い込んでいたのに、体育館ん裏口は盲点やった。
そもそも裏口が目に入っとらんかったし、存在ば忘れとった。
そして日吉があっさり自白した理由ば察すると血ん気が引いた。
体育館ん裏には体育用具室がある。運動部ん部活ん物音も聞こえん。
体育館裏は人気がなかけん人前で話せんことにはもってこいん場所だけど、運動部が部活してさえいれば、危険は少なか筈やった。ばってん、今日は理由はわからんけど部活ん物音が聞こえん。迂闊過ぎた。おそらく予めそげな日ば選んでうちば誘き出したんや。
「あんたが綱島先輩と?」
返事は無いが、スマホんアプリで録音しとーけん出来るだけ誰と話しよーか分かるよう会話ばする。
「お前が厚木陽葵か? 中々可愛いな。わざわざ呼び出したかいがあったな」
「そ、それでなしてここに綱島先輩が待ち伏せばしとるんと?」
「うわっ! わざとらしい。悠人、その子スマホかボイスレコーダーで録音してるわよ、多分ね」
「わかっているさ。川崎!」
「―――――!!!!」
綱島が声ばかくると突然後ろから羽交い締めにされた
「んんッ!?」
これじゃ声も出せん。口も押さえられた。
「はは、待ち伏せだなんて人聞きが悪いな。呼び出されてノコノコ来たんじゃ無いか? こちらからすればヤラれる気満々にしか思えねぇ!」
勝手な解釈だが、迂闊やった点は否めん。二人が何ば考えとーとか想像にし易か。
塞がれて大声を出せないから 、恐怖がますます増してくる。それに綱島ん口角が釣り上がった笑みに不気味さを感じた。
「そんなに心配しなくていいさ。ただ黙っていればいいだけだ。一度だけ我慢すればいい」
「綱島先輩、そんな一度だけなんて殺生なこと言わないでくださいよ。こんなチャンスないですよ。俺にくださいよ。前の女みたいに」
「前の女?」
日吉が疑問符ば浮かべる。綱島、川崎、それに日吉、これ3人以外にも女が絡んどー。
でも、川崎ん発言から察するにこいつらん被害者になっとー?
「日吉、心配するな。前にも同じようなことがあってな。ちょっと口を封じただけだ」
日吉ん顔が真っ青になっとー。
ここまでやっとーともう、ちょっとした犯罪じゃ済まん。
愚かな女ん子やて思うけど、そん前に自分がそん馬鹿な男ん餌食になるとかて思うと目から涙が出そうになる。
「日吉、その女のスマホかボイスレコーダーを取り上げろ」
「わ、わかったわ」
日吉にポケットとか探られて、あっさりスマホば取り上げられてしまう。
「やっぱり、録音してたわね」
「まあ、前の女もそうだったからな。まあ……観念するんだな」
観念なんてできん。こげん奴らに好きなようにされるかと思うと吐き気がする。
もう、何でこげん時に莉子ちゃんはおらんの!
そしてこいつらはうちば体育用具室に連れ込んだ。もちろん体育用具倉庫ん扉に鍵ば掛けてしもうた。
「へへ、ここなら人気はないし『ヤル』ならぴったりの場所ですね?」
「ああ! 違いない。さあ、さっさと『ヤル』か?」
「やめてぇ!」
暴れて辛うじて塞がれた口ん手ば振りほどいたいたけど、うちん悲鳴は虚しゅう響いただけやった。
そしてうちん腕は握り伏せられた。
「い、いたい……! や、やめてよ、いたいよぉ……」
「はは、いい声で鳴くなー」
「や、やめて、やだ、やめ――――て!」
「ふふっ、川崎もっとやれ!」
「あんっ、いたい、いたい、いだい、よぉぉおおおおお!」
「「ぎゃはははははっはははっ!!!」」
「おい、もう一度口を塞げ! あんまり叫ばれるとな」
そして、布切れでうちん口は再び塞がれてしもうた。
なして……なしてこげん酷か目に?
綱島が乱暴にうちば組みひしぎ、そして、そんまま覆いかぶさった。
抵抗したけど両手とも組み敷かれ、全く身動きができん。
服んボタンが一つずつ外されていき、ついに胸ん下着がはだけてしもうた。
「お、いい乳してるな〜」
「だろ? いい身体してるなと思ったんだ」
「じゃあ俺が先にな。こいつ多分初めてだぜ」
綱島がうちんスカートん中に無遠慮に手ば入れて来る。
た、助けて! 頭に浮かんだんなもちろん樹先輩やった。
「助けて樹先輩ぃー」
「ヤバイ、めちゃめちゃやわらか————————ぐふえぇっ!?」
うちん太ももば触っとった綱島が突然消えて、吹っ飛んで行った。
「な? お前!? 何でここに?」
突然うちば助けに来てくれたのは……やっぱり樹先輩やった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます