第10話陽葵ちゃんの寝顔
帰宅すると、制服姿の陽葵ちゃんが僕のベッドの上で寝ていた。すやすやと穏やかな寝息を立てている。なんか、幸せそうな表情で、寝顔はとっても可愛い。
制服の胸が静かに上下しているのを見て、おもわずゴクリと唾を呑みこむ。
陽葵ちゃんはちょっと幼さも残る可愛い系の子だけど、さすがに胸の膨らみがはっきりとわかる。
「……陽葵ちゃん……油断し過ぎだよ、俺だって男だよ」
ホント、もうちょっと危機意識を持ってよ。俺が寝ている陽葵ちゃんにあんなことやこんなことしちゃったらどうするんだよ……絶対しないけど……
「まぁ無防備なのは、俺を信じていてくれるという証でもあると思うけど……」
それはそれで嬉しいな……いかん。ついニヤけてしまった。
「あ、ん……」
陽葵ちゃんは声を漏らした。あれ、起きるのかな? 少し物音をさせたな。
「せ、せんぱ〜い…………むにゃむにゃ……そげんいっぱい食べられんようぉ」
陽葵ちゃんはどうも、何か美味しいものでも食べてる夢を見ているようだ、可愛い。
「せ、せんぱ~い……あ、あふ♪ こげん太かと無理れす♪」
えっと? 陽葵ちゃんは寝言を漏らすけど、どんな夢見てるの? 今、寝言で『こんな太いの無理です』って……まさか二人で、エッチな事をしている夢?
「陽葵ちゃん……俺なんかのどこがいいんだろう?…でも、すごい嬉しい」
俺が陽葵ちゃんの寝顔に萌だえていると、陽葵ちゃんがごろりと寝返りを打った。
制服のスカートからはみ出た太ももが眩しい……
「あ、あん……あっ、あっ、先輩、ダメぇぇ……そげん無理やり突っ込んだら、ダメだよぉぉっ ……!」
陽葵ちゃんの嬌声を初めて聞いて、心臓のBPMが一瞬で臨界点に達した。
陽葵ちゃんの夢の中の俺、何してるの? 俺の馬鹿? 俺は陽葵ちゃんのこと好きなんだぞ! その陽葵ちゃんに何してんの! 例え俺でもだめだ!! でも、夢の中の俺は何を突っ込んでいるの? どこに突っ込んでるの? 陽葵ちゃん、もう少し詳しく教えて!!
「むにゃむにゃ……そげん太いの、先輩……陽葵んお口には無理れす……むにゃむにゃ」
夢の中の俺、なんて酷いことしてるの? 嫌がる陽葵ちゃんのお口に無理やりなんて!! 俺の馬鹿ぁ!!
一瞬、いけない想像が頭をよぎる。でも、慌てて頭をブルブルと振る。
いけない。俺達はまだ高校生なんだ。そんな淫らなこと考えちゃ駄目だよ。
それに俺は陽葵ちゃんを大切にしたい。そういうことはもっと大人になって、ちゃんと責任とれるようになるまで駄目だ。
「ふにゃふにゃ……せんぱ~い、そげん無理やりおっきなソーセージば突っ込まんでくらしゃい」
は、はは。俺の馬鹿。とんだ勘違いだった。陽葵ちゃんはただの食いしん坊だった。
それに、しっかりしているようでも、こういうところは子供っぽくて、凄く可愛い。
でも、陽葵ちゃんはまた寝返りをうった。控えめな果実がそれに合わせて、それでも存在感を動かす。そして、綺麗な足も動いた。無防備な陽葵ちゃんのスカートは寝返りに合わせて少しめくれる。
めくれたのはほんの僅かだけど、制服の女の子の破壊力てすごいな! 陽葵ちゃんの制服のスカートはかなり短めで……白く透き通るようなまぶしい太ももに、俺の視線が引き込まれる。ほっておくと、その……見えちゃいそう。見えてはいけない下着が……いかん、何とかしなければ! と言いつつ、目線が外せない! 俺を責めないで! 俺だって健全な男子だよ!
陽葵ちゃんが無防備過ぎる! でも、そんな無防備な女の子の下着を見ちゃだめだよね?
「見ちゃダメだ……見ちゃダメだ見ちゃダメだ見ちゃダメだ……!」
なんか、シンジ君の気持ちがわかる! そう自分に言い聞かせて、再び陽葵ちゃんの寝顔を覗き込む。えへへ。寝顔は子供みたいにあどけない。
幸い、陽葵ちゃんのスカートがこれ以上ズレることはなさそうだ。
「陽葵ちゃんの寝顔、可愛いいよ」
俺はベッドに腰かけて、陽葵ちゃんの寝顔を眺める。
女の子の寝顔を見るのはいけないのかもしれないけど、可愛い陽葵ちゃんの寝顔に癒される。
……そのとき
「あ、うん……んんっ!?」
陽葵ちゃんが突然ばちっと目を開いた。目と目が合って、陽葵ちゃんが慌ててあわわわていう顔になる。……この状況は…勘違いされないよね?
「ひ、陽葵ちゃん! 違うんだ! こ、これは……その、陽葵ちゃんの寝顔が可愛くて!」
「ひゃぁ!!!」
陽葵ちゃんは慌てて起きようとするが、ベッドから落ちそうになる。
俺は慌てて陽葵ちゃんを支えようとするが。
「危ない! 陽葵ちゃん!!」
結局、二人ともベッドから落ちて、陽葵ちゃんが下になって、俺が床ドンみたいに陽葵ちゃんに覆い被さって……
「せ、先輩、好きです……♪」
恥ずかしそうに言う陽葵ちゃんはホントに可愛い。そして、陽葵ちゃんはスッと目を閉じて、キス待ちみたいになる。
俺を唯一信じてくれた陽葵ちゃん。俺の心はとっくに陽葵ちゃんにもっていかれていた。
だから迷わず、スッと陽葵ちゃんの唇に自分の唇を重ねた。
「せ、先輩……いいですよ。陽葵、覚悟はできとーし、ひ、陽葵、せ、先輩んことが、す、好きですから、ひゃ、ひゃあ!! 恥ずかしかよう!!」
俺も心が躍ったけど、俺たちはまだ高校生だ。
まだ、そういうのは早い、俺は花蓮ともそこまで関係を進めていなかった。
花蓮を大事に思っていたから……当然、陽葵ちゃんも大事にしたい。
「陽葵ちゃん。 俺達まだ高校生だよ。そこまで進むのはまだ、早いよ」
「先輩、陽葵んこと大切にしてくるーって……それって?」
「うん。陽葵ちゃん。俺、陽葵ちゃんのこと大好き。俺の彼女になってください」
俺は陽葵ちゃんに正式に告白した、今更だけど、今までちゃんと言ってなかった。
「せ、せんぱーい!! 陽葵嬉しい!! 陽葵も先輩のこと大好きです!」
陽葵ちゃんは俺にしがみついてきた。俺の胸にあたっている陽葵ちゃんのささやかな胸もこの状況では破壊力抜群だ。俺の理性頑張れ!
「ところで、先輩、陽葵が寝とー間にどこまやったと? キスしちゃいました? 胸とか揉んだり、ちゃんとスカートん中覗いたりしました?」
「ええ!? そんな卑怯なことしないよぉ!!
「なんでですか? 普通襲いますよ、ていうか襲ってよかったんですよ!」
何故か陽葵ちゃんがぶつぶつと怒り始める。いや、陽葵ちゃん、積極的すぎ!!
「もう、先輩って奥手なんだから~」
「俺がそんなことするヤツだと思ってたの? でも……陽葵ちゃんの寝顔をたくさん見たよ。ヨダレも垂らしてたな~。それに陽葵ちゃん、俺の事を好きとか、結婚したいとか、結婚式場は早く予約したほうがいいとか、言ってたな♪」
「きゃああああ! 先輩酷いよう!!
半ベソをかく陽葵ちゃん。これもとっても可愛いな。
「……陽葵ちゃん」
「……せ、先輩」
俺は陽葵ちゃんを抱きしめた。
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