第3話 免許証!
2003年、北陸地方に引っ越してきた。
こっちへ引越ししてきて、就職した会社で
同僚となった智美ちゃん、
彼女は、決して
教えてくれない事があった。
それは、年齢である。
多分少し上だろうなと思った。
でも、彼女は、
「久史家と同じ年齢だよ」
と嘘を言う。なぜ嘘だとわかるのか
必ず、言った後に、
ニヒヒと笑うからである。
何度聞いても
「あんたと同い年」
「違うね。絶対上でしょ!」
私も意地になって聞き出そうと躍起になった。
そんなある日、
会社の帰り道、目の前に現れた。
巨大な
「免許証」
なんと智美ちゃんの
巨大な免許証が突き抜けて行ったのだ。
その頃、私はトヨタのガイヤに乗っていた。そのガイヤよりも大きな免許証だった。
しっかり見た!
智美ちゃんの生まれた西暦
私より六年早く生まれていた。
翌日、
「ねえ生まれた年って19〇〇年じゃない」
「えっ?なんでわかったん?」
「実は免許証が前からやってきて私と車を突き抜けていったのよ」
なんて言えるはずもなく……。
でも確かに巨大な免許証が私を突き抜けていったのだ。
「智美ちゃんのロッカー開けてないからね」
一応、言っといた。
「うん。鍵かけてるからね」
信じるか 信じないか なんとやら
本当に智美ちゃんの巨大免許証が、
私とガイヤを、突き抜けて行ったのだ。
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