第46話 Sideモブ4 蹂躙
私はパーティーの仲間に「いい仕事を見つけた」とか言われたからついてきた。まあ楽しそうだったし(事実楽しいし)、弱者をいじめるのが好きだからね。まじでついてきてよかったなーとか思ってた。のに。
……こいつのこの強さは何?
魔法職っていう遠距離職なのに、なんで近接職の拳闘士に圧勝しちゃうのよ!!
しかもこいつ魔法使ってないわよ!? 魔法使いのくせに殴って勝っちゃうとか、もうレべチすぎでしょ……!
本来はパーティーの仲間である、あいつの身を心配してあげなきゃいけないんだろうけど、そんなのは気にならなくなるくらい蹂躙姿がかっこよかった。
敵である私が見とれるほどの美しい蹂躙。こんな綺麗なタイマンみたことない…!
「……あぁ、ちょっとやりすぎちゃったかもなぁ。まあどうでもいいか」
そう言って、血が付いた手をはたく。まるで蚊を潰したくらいかのような、まるであいつの血が汚いみたいな、侮る仕草。
その姿が、冷徹な暗殺者みたいで。あんなふざけて軽口叩きあっていたのに。
――――――その姿が、かっこいいと思ってしまった。
「あ、ニアだー。やほー!」
え、急に雰囲気が変わったと思ったら、いつものテンションに戻った。
この人はなんなの……!?
人知れぬ恐怖と、かっこいいっていうよくわからない感情と、憧れが同時に芽生えた気がした。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます