10.追跡
10.追跡
僕はホテルをチェックアウトして荷物を持ってくるから、2人は彼の尾行を頼む。すぐに追いつくよ。
…罠かも知れないわよ?
そうだね。でも、ソナタを探し出すと決めたときからリスクがあることは承知しているよ。やばくなったら僕1人で何とかするから、2人は何かあったらすぐ逃げてね。
ふん…パパは自分の心配だけしていればいいわよ。
ふふ。心強いね。じゃあ頼んだよ。
そう聞こえたかと思うと、すでに姿はなかった。2人は一定の距離を保ちながら、彼を追った。駅の入口に着いたのでそのまま構内に入るかと思いきや、停車していた車に乗り込んだ。
バルカ、タクシーで追うわよ。
…。
2人はタクシーに乗り込み、前の車を追うよう指示した。
ソウル駅へ行くわけではなさそうね。方向が違うわ。パパはどう?
じーぴーえす
OK。私たちの端末のGPSを手がかりにこっちに向かってるようね。
3人は空港にいた。どうやら、彼は飛行機に搭乗するようだ。すぐに同じ便のチケットを手配し、保安検査を済ませた。
またあの国へ行くことになるとはね。
ああ…意外と早かったよ。
なによ?こうなることが分かっていたような言い方ね。
ふふ。どうだろうね。ところで、このことは"上"には言ってないよね?
当然よ。こんな勝手な行動をしたらすぐに止められるわ。まあGPSで監視されてるから、気付かれたらすぐに追っ手が来るでしょうね。機能を無効化しても、いつか見つかるのは同じことね。
まあいいさ。向こうに着いて落ち着いたら、僕から事情を説明するよ。ソナタを探し出すためにやっていることだしね。ただ、のんびり話をしていたら、彼を見失ってしまうかも知れない。まずは追跡に専念しよう。
たしかに、この韓国で私たちの風貌を見て、ためらいなく日本語で話しかけてきたことに違和感はあるわ。でも、それだけで彼が"あの人"に繋がっていると確信が持てるわけ?
さすが、メライ!鋭い!
…バカにしてるの?
いつもの冗談だよ。すぐにネタバレしたらつまらないかなと思ってね。
パパ…そういうのが一番寒いわよ。
相変わらずメライは厳しいな。じゃあ、そろそろ行こうか!久しぶりの日本へ。
Chap3.へ続く
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