続・学園編 5 かごめ かごめ

廊下を猛スピードで走り抜け


階段も急いで駆け降りる


こんな あたしを目にした人には さぞ滑稽に映った

ことだろう 何を急いでいるんだ そんなに早く

トイレに行きたいのか とか でも そんな 人の目

など どうでも良かった



あたしは1階のトイレの前まで辿り着くと


ハァ ハァ ハァ


肩で息をしながら 中に入る


が 勿論まだ誰も居ない



個室の扉は 全て開いている…



杞憂だったのかもしれない


ホッ


一安心すると まだ1つの疑念が残っているので


トイレを後にすると 猛ダッシュで1階の保健室を

目指した


ハァ ハァ


保健室の前まで辿り着いた あたしは


コンコン


「 失礼します」


扉を開けて中に入る


保健の先生は常時待機している訳ではない


キョロ

そして今は保健の先生は居ない様子


保健室には並んでベッドが2つある


手前の1つはカーテンが開いていて

奥のもう1つはカーテンが閉まっていた


奥に誰かが居るのが伺える


もちろん 春日さんだよね…?



あたしは期待を込めてカーテンをゆっくりと開けた


……


しかし 期待は裏切られる


そこに仰向けで眠っていたのは

男子生徒だったのだ


あたしは 手詰まりに追いやられ


更なる思考を巡らせる 担任の先生に言いに行って聞いてみる? とりあえず春日さんが居ないことだけ報告する? いや実はこの男子生徒の正体が春日さん?


もう 頭がどうかしてる… どうか…


「 …… ん … んっ ……… うん!?… 」


脳ミソが いつもの様に 何か言おうとした時

男子生徒が目を覚ました


「ヤバっ」


男子生徒はベッドから起き上がると


「…… 何見てんだよ?」ぶっきら棒に


「えっ と…」


あたしが咄嗟に言い訳できずにいると


「 … お前 … 2組の … 明石だよな?」


!!!


あたしの素性が知られてる事に少し驚いて

目を凝らす


「… そう言う … あなたは … 確か 1組の …

青木くん?」


少しマネたけど オウム返しではない


「 … 人の寝顔 … 見てたヤツが疑問系?とか

マジ意味わかんねぇし… 」


少し照れたように 暴言を吐く青木くん まあ寝顔見られてたら 誰だって恥ずかしいよね ウンウン


「… あっ ゴメン 実は友達探しててさぁ … ここかなって 思ったら 違ってた‥ みたいで」


申し訳なさそうに あたしが正直に言うと


「… ふーん … … まあ… なんとなく… わかった」


少し ぶっきら棒に 青木くんが答えた


中々 察しがいいのか エスパーなのかは分からない


キーンコーン


10分休憩の終わりを告げるチャイムの音


「ヤバっ」!


= 6限目開始のチャイム


「サボり 確定だな 」w


この男は… ぐぬぬぬぬ …


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