第五十七話 「Захватывать(追捕)」

"ザシャッ!!"


「Стоп!?

(――――止まれッッ!?)」


「・・・・」


"ビュオオオオオオオオオオ――――ッ!!


「ひ、ヒワッ... れ、レ、


 N/S―――――っ!!????」


突然、雪の中にロシア語が響き


「только не двигайся!

(・・・そのまま、動かないで....っ!)」


「あ、あ~あ、あ!


 あ、あわ、あわわわわわわわッ!?」


隆和が声のした方に振り返ると、


自分達がいる石の様な物が並べられた場所の先に


"ダリア・レベデワ"


「Хе-хе...! Этот


 японский ублюдок

(ヘヘッ....! この、ジャップ野郎ッッ....)」


「―――ヒ、ヒワッ....! きょ、巨人....ッ」


"ドサッ!


隆和は、動転して雪の上に尻から崩れ落ちる


「Кажется воля


 наконец-то пришла,

(・・・・ようやく、"意志"が来た様だ...)」


「Цубефоф!

(ツベフォフ....ッ!)」


石を挟んで自分の方に向き直ったツベフォフと、


レベデワは拳銃を構えたまま向かい合う


「Кажется ты думаешь обо


 мне больше чем


 я думал,

(・・・どうやら、思っている以上にアナタ達は


 私の事を"考えている"様だ――――)」


「(・・・・)」


瞬間、ツベフォフと向き合った直後


何か気味の悪い、鈍い感覚をレベデワは感じ取る


「(・・・・)」


"ビュォォオオオオオオオオ―――――ッ"


「это снежное холодное


подземное место,

(・・・この雪の残る、冷たい


 地下の場所――――)」


「Ой, кто сказал


 говорить!?

(オイッ 誰が"喋れ"と言ってるんだッッ!?)」


「Нужно ли мне


 разрешение говорить,

(・・・私が喋る事に、


 許可など、必要なのか....)」


アントンががなり立てるが、ツベフォフは


今にも発砲しそうな顔つきで拳銃を構えている


アントンの言葉をまるで無視する


「Этот крайний слой,

(この、極層――――)」


「собака―――!?

(くたばれッッ)」


「!」


"パンッ"


"パンッ"


"パンッ"

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