第四十二話 「с вершины(山頂から)」

"ヒュウウウウウウウウウ――――ッ...


「・・・・」


"ガタッ、! ガタタッ!!


「ア~ ア~...


 チョイ、ト、チョイ...ト....」


「(・・・・)」


雪山の上でバイクが動かなくなった河野は、


雪が次第に強くなって来た事もあり


少し離れた場所に偶然見つけた


建物の中へと入る.....


"カッ"


「(さっき入った遺跡の中より、


  大分新しくは見えるが・・・)」


雪を払いながら入った建物の中で


薄暗い部屋の中を見渡すと、


この山小屋の様な大きさの建物には


部屋一つしかない建物の様で、先程入っていた


乗り物を見つけた遺跡の様な場所とは違い、


どこと無く近代的な印象を感じさせる


「ア、ア、ア、~


 ア~ア、... チョイ、チョイ....トクラ....」


"ガサッ!"


"ガサッ!"


「(・・・・・)」


"カッ カッ カッ カッ....


古びたパイプ椅子の上で、奇妙な声を上げながら


自分のブーツの雪を払っている


スサケフスキを見ながら、河野は


部屋の中を突っ切り窓際まで歩いて行く


"ガタッ! ガタタッ!"


「(・・・・)」


"ビュウオオオオオオオオオオ―――――ッ!"


「ア~... ヨイ、ヨイ...、ト....」


「("塔"か・・・?)」


"ガタタッ!!


雪がコートに張り付いたまま、


窓際の側まで寄って行くと、この建物が


この岩肌の先の世界では高所にあるせいか、


雪の中を遠くまで見通せ、視界には


何度かこの世界で目にした


"電波塔"の様な物が映り込んで来る....


「ヨイ、ヨイ....


 オ マスカイ? コイツハヨオー」


"カパッ"


「・・・・」


"ビュウオオオオオオ――――――

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