第三十一話 「кусок пепла(灰塊)」
「Вон там, 3 км, 72°,
еще немного―――
(向こう....3km...
72°.... もう少し...)」
"ザシャッ ザシャッ ザシャッ ザシャッ...."
「(Кажется это довольно
далеко,)
(かなり、距離があるみたいね....)」
「Как вы думаете где
Цвефовы?
(ツベフォフ達は、どこにいると思う?)」
「верно,
(・・・そうね)」
"ザシャッ"
隣でラバの上にいるジュチが放った一言に、
レベデワは自分が乗っているアハルテケの
手綱(たづな)を引き絞る
「на всякий случай видел
это ЗАТО в градирне,
Вы знаете какую-то
структуру этого места
не так ли?
(・・・一応、冷却棟で見た、このZATO....
この場所のある程度の構造は
分かってるんでしょう?)」
「Я не знаю,
(どうだろうな・・・)」
"ガサッ"
ジュチが、自分のラバの脇のカゴから
紙を取り出す....
「На данный момент я
припас эту карту
сайта ЗАТО 100 лет
назад,
(一応、"百年前"のこの
ZATOの構内図は確保したが....)」
"ガサッ"
手にしたかつてこの場所に
あったと言われる軍事施設の地図を見ながら、
ジュチは、周りの雪に囲まれた世界を
見渡す――――
「Судя по тому что я
видел структура этого
пространства
изменилась примерно
100 лет назад,
(・・・見た所、大分この空間の構造も
百年程前とは変わっている様だ....)」
「・・・・」
どうやら自分が手に入れた
このZATOの構内図と、実際今目にしている
周りの空間の配置に違いがある事に気付いたのか
やや不機嫌な顔色を浮かべると、ジュチは
再び手にした構内図をカゴの中へと戻す....
"ザシャッ!!"
「Эй Лебедева!?
(おいッ――――、 レベデワッ!?)」
「Антон,
(アントン....)」
先程、自分達と先行してこのZATO内の空間を
先まで進んでいたアントンが、
アハルテケの上で大きな怒鳴り声を上げながら
こちらまで向かって来る
「Там что-то странное?!
(何か、向こうに妙なモンがあるぜっ!?)」
「Вон там?
(向こう――――?)」
「Ааа это даже не
подсказка но
А пока приходи ко мне
(・・・ああっ
特に手掛かりって程のモンでもねぇが――――
とりあえず、来てみろよっ)」
「・・・・」
「вперед, продолжать
(・・・先へ行け)」
「・・・・!」
「Ха!
(――――ハッ!)」
"ザシャッ ザシャッ ザシャッ ザシャッ!!
自分の乗っているラバでは
レベデワ、そしてアントンの乗るアハルテケには
ついていけないと思ったのか、
ジュチの言葉を聞くと、レベデワは
周りを囲む木々を横目に、そのまま
アントンの後ろを追い雪の中を駈けて行く....
「(・・・・!)」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
"ザシャァアッ!!
「(какие···?)
(何・・・?)」
"グワアァァアアアアァァァアアア....
「Что это могила что ли?
(何だ、こりゃ"墓"か何かか?)」
「(что-нибудь,)
(・・・何か――――)」
「Эй, Лебедева!?
(――――おいっ レベデワっ!?)」
「Нет, Интересно это
камень или что-то в
этом роде,
(い、いえ――――...
石か何かかしら....)」
アントンの後を追い、アハルテケで
レベデワが森の中を駈けて行くと、
突然続いていた木々が途切れ
その木々が無くなった場所に広がった空間に
雪に埋もれた、腰の高さ程の
四角い形をした石の塊の様な物がいくつか
並んでいるのが見える....
「Что это а?
(―――何なんだい、こりゃ?)」
"カンッ"
「Да, давай, Эй это
довольно сложно не
так ли! Этот парень.
(い、いてっ・・・
け、結構硬いじゃねえかっ...!
コイツ....)」
「(....цу)
(・・・・っ)」
周りを森に囲まれているせいか、
それともこの場所があまり明かりの無い
暗い場所だからか、レベデワは
何故か頭に奇妙な"重さ"の様な物を感じながら
アハルテケから降りると、自分の目の前にある
その灰色の塊に手を伸ばす――――
「(металл?)
(・・・・"金属")」
"コンッ コンッ"
人差し指の背中でその灰色の塊を叩くと、
その塊は何か石を叩いたときの様な音では無く、
僅かに高い音を上げる
「Я не думаю что это
что-то значит,
(何か、意味がある様にも思えねえが....)」
「(....цу)
(・・・・ッ)」
"何かある"
「・・・・」
周囲から感じる歪(いびつ)な環境、
そして目の前にズラリと並べられた
"金属"の様な物の塊を見て、
この目の前にある石ともつかない塊から
"何か"を感じ取る―――――
"ザシャッ!
「Что это?
(何なんだ、これは――――?)」
「Джучи,
(ジュチ・・・・)」
二人に遅れて、ラバに乗ったジュチが
ラバを降り、レベデワの側まで歩いて来る
"ザッ ザッ ザッ ザッ.....
「Это,
(・・・これは...)」
「Вы понимаете?
(分かるの?)」
「・・・・」
先程手にしていたこのZATOの構内図を
ジュチが取り出す
"ガササッ"
「(・・・・)」
「Возможно, это
(もしかすると、これは――――....)」
「―――――、」
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