第七話 「крайний слой(極層)」

"シュウウウウウウウウウウ.....


「・・・・」


"ドルンッ ドルンッ ドルンッ ドルンッ....!"


「Ч, это?

(そ、それは――――?)」


「・・・・」


"バスンッ!"


「Может быть из-за того


 что его какое-то время


 не перемещали кажется


 что регулировка вокруг


 двигателя не очень


 хорошая!

(・・・しばらく動かしていなかったせいか、


 少し、エンジン周辺の調整が


 良くないようだ...!)」


「(な、...あ、アワワワワ....


  な、何なんだ....!)」


隆和、そして、ツベフォフ。


「Эймой возьми чемодан


 в сторону.

(・・・・エイモイ、そこの脇にある


 ケースを取ってくれ)」


「Ах, это?

(・・・あ、こ、これ?)」


「Вот и все,

(そうだ・・・)」


「・・・・」


ツベフォフの言葉に、隆和は


何故か、この地下遺跡の様な


外から雪の音だけが聞こえて来る


静まり返った暗い部屋の中で、


自分の脇の壁に置かれていた


プライヤーやレンチが入れられている


工具箱のケースを手に取る


"ガタッ...."


「(な、何なんだ、コイツは――――)」


目的が何なのかは分からないが、


自分と少し離れた場所で


石の床の上に置かれた、おそらく


バイクの様な形状をした乗り物の


修理をするためなのか、


地面に半腰になって目の前の機械を


暗い表情で見ているツベフォフに、


工具箱を持ちながら、隆和は


不審な表情で近づいて行く....


「г-н Цвефов,

(・・・・ツベフォフ氏....)」


「・・・・」


"カタッ"


「・・・・」


「(何なんだ、この場所は....)」


あの、"岩肌"の前の出来事があった後


【этот ублюдоoooooooк!?


 Побег! ? Побег-сан


 Нууууууууууууууууу!?

(テメェエエエエエエッッ!?


 ――――逃がさんッ!? "逃がさん"


 っゾォアァアアアアアアアアアッ!!?)】


【ヒ、ヒワワワワワワワッ!?】


「(そういや、コウノ先輩....!)」


「Похоже вилка в плохом


 состоянии.

(少しプラグの状態が悪いみたいだな....)」


"ガチャッ ガチャッ"


「(な、何でこんな事に―――)」


突然、閉ざされた世界。


その場所で作業をしていた所に


【Останавливаться!?


 Отсюда больше не


 убежишь!?

(―――止まりなさいっ!? 


 あなた達はもう、ここから


 逃げる事ができないっ!?)】


「(レベデワ・・・?)」


【этот ублюдоoooк!


 Я не гражданин Только


 убегать быстро не


 правда ли!?

(テメぇ~っ


 "国民では無い"分際のクセしやがって


 逃げ足だけは速ええじゃねえかッ!?)】


「(け、警察か何かなのか....!)」


突然、自分の同僚であった筈のレベデワ、


そして何人かの兵士の様な格好をした男達に


取り囲まれ、夢中で閉ざされた世界の中を


走り回っていると、追いかけられた挙句(あげく)


あの岩肌の前まで辿り着き


そこで、あの"光"が起きた――――


【ヒ、ヒワワワワッ―――


 あ、あ~あ、わ、ワワワワワワワッ!?】


【Так! Аймой,?

(こっちだ・・・・! エイモイ――――?)】


【г-н Цвефов,

(ツベフォフ氏――――)】


そして、あの光が起きた直後、


ただ、慌てていると自分の側にいたツベフォフが


そのまま岩の中へと進んで行くのを見て、


隆和は夢中でその後を追い、気付けば


この古びた遺跡の様な建物の中へと


辿り着いていた....


「(・・・・)」


「Изолятор тоже довольно


 старый.

(――――インシュレーターも大分古いな...)」


自分の少し側でツベフォフ、が


スノーモービルの様な機械を


修理しているのを見ながら、隆和は


部屋の中を見渡す――――


「(・・・・・)」


【Давным-давно за


 пределами этого


 замкнутого мира


 существовали древние


 руины, которые как


 говорили были связаны


 с миром на краю света


 Лукомори,

(かつて、この閉ざされた世界の先には


 古代の遺跡が存在し、そこには


 世界の果てにあると言われている世界、


 ルコモリエへと繋がっていた....!)】


「(じょ、冗談だろ)」


以前言われた言葉を思い返しながら、


かなり古い遺跡の様な苔(こけ)の生えた


周りの壁や床を見ながら、


この地下の場所に似つかわしくない、


この建物の意味を考える―――――


「Г-н Цвефов??

(つ、ツベフォフ氏――――??)」


「・・・・」


"パッ"


「Что случилось, Эймой.

(・・・どうした、 エイモイ....)」


目の前に置かれたスノーモービルを


眺める事に飽きたのか、ツベフォフは


石造りの床の上から立ち上がり、手をはたきながら


振り返る


「Нет нет какого черта!

(い、いや、何が何だか....!)」


「О чем ты говоришь?

(―――何の事だ....?)」


"ピッ ピッ"


着ていた上着のポケットから何か、


小型の機器の様な物を取り出すと、ツベフォフは


それに視線を落とす


「Нет! Ну во-первых


 Лебедева! О ты следил


 за мной не так ли?

(い、いや...っ! 


 ま、まず、レベデワ....っ!


 お、追ってきてたでしょう?)」


「вот так вот

(・・・その様だ)」


"ピッ ピッ"


「Нет это так! Ах это!


 Как ни посмотри это


 полиция!? Эй полиция

(い、いや、そ、その様だって....!


 あ、あれ....っ どう見ても警察でしょうっ!?


 け、警察――――)」


【"ガッ"!】


【・・・・相変わらず、お前は


 "デキない"奴だな――――?】


「(・・・・!)


(そ、それに、河野先輩――――)」


「・・・・」


"ピッ ピッ!"


「Я не знаю почему но


 этот человек В этом


 месте, Нет, во-первых


 Почему!

(な、何でかは分らんが、あの人


 この場所に――――


 い、いや、そもそも....


 何で・・・っ!)」


「Аймой,

(エイモイ――――、)」


「??」


"スッ"


かなり慌てた姿で、今まで起きた事を


まくし立てる様子を見て、


ツベフォフは手に持っていた機器を


ズボンのポケットにしまい、まっすぐに隆和を見る


「не надо думать слишком


 глубоко. Не нужно


 глубоко думать об этом

(・・・特に深く考える必要は無い...


 深く考える必要は、無いんだ....)」


「Разве не нужно


 думать об этом?

(か、考える必要は無い?)」


"スッ"


「??」


あまり高くない、石造りの天井を


ツベフォフが仰ぎ見る


「В этом полярном слое


 место ранее


 называвшееся ЗАТО


 мысль мышление не


 имеет смысла, В этом


 крайнем слое логики и


 правил подобных тем


 что существуют во


 внешнем мире обычно


 не существует и для


 того чтобы


 приспособиться к ним


 приобретение новых


 чувств и понятий


 становится правильным


 делом,

(この、極層(きょくそう)、かつて


 ЗАТО/ZATO(ザトー)と


 呼ばれていた場所では、


 "思考"、考える事は


 意味をなさない――――....


 この極層では、通常の外の世界の様な


 論理、規則は存在せず、それに適合するため


 新たな感覚、そして概念を身に着ける事だけが


 正しい行いになってくる――――)」


「Нет это чувство!?

(い、いや、感覚・・・ っ!?)」


"ガシャッ"


「В чем дело, Амой,

(どうした、エイモイ――――


「(な、何だ・・・)」


先程から何か、奇妙な、頭、いや、


よく分からないが頭の内側より更に


広い感覚で、この部屋・・・・


この場所に通常の感覚ではない


空間が歪んでいる様な感覚を感じていたが、


徐々にその感覚が強くなっている様な気がして、


隆和は思わず壁に手を添える


「な、何だ・・・っ」


「все в порядке Аймой,

(・・・・大丈夫だ、エイモイ―――...)」


「Все в порядке----!

(だ、大丈夫って―――、!)」


「Вещи называемые болью


 просто что-то вроде


 новостей, Чтобы


 забыть о вчерашней


 газете новостей, Если


 вы отвлечетесь


 от новостей Я даже не


 замечаю большинство


 вещей.

(痛み、と言う物は、ただの


 "知らせ"の様な物にしか過ぎない――――


 昨日のニュースペーパーの事を忘れる様に、


 その知らせから意識を遠ざければ


 大抵の事は気付く事すらない――――)」


「Эй, о чем ты... ты!

(な、何言ってんだ....アンタ...!)」


"ドルンッ!"


「・・・・!」


修理が終わったのか、ツベフォフは


隆和の様子に冷ややかな表情を浮かべながら


目の前にある、バイクの様な乗り物の


スロットルを勢いよく回す!


「・・・・!」


"ドルンッ、ドルンッ、ドルンッ、ドルンッ.....


「Давай пошли Сямэнь,

(さあ、行こう、エイモイ――――)」


「(・・・・!)」

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