第39話 クラリスの実家へ②
ケイン辺境伯領都ケインズシティ。
ね。辺境って片田舎じゃないの?
なんか、王都より人居ない?
クラリス達に連れられて、馬車に揺られる6日間。
夏期休暇に入り、私はクラリスに誘われて休暇の殆どをケイン辺境伯領で過ごす事にした。
国境守備の要の役割も担う辺境伯近衛師団は、王国最強の異名を持つ程で、現辺境伯のモーガン=ケイン卿は『剣聖』の才を持つ『最も勇者に近い男』って呼ばれたんだってー。
只の『戦士』ジオの強さは、此処で幼少期から半端ない
いや、クラリスの前では言ってないけど。
何せ前回の魔将との
戦闘力学院TOPなんだよー。
それも歴代首席含めて、過去サイコーの。
クラリスの目には、ちっこい童女にしか見えんらしい。まぁ、ちっこいのは否定しないけど。
…残念ながら。
それはさておき。
何?この人の多さ?
王宮へ行く時の車窓風景より人多いよ?
それを訊ねてみると。
「車窓って、学院も王宮の端にある敷地内だからなぁ。連絡馬車が人混みの中を走るワケないだろ?」
「は?でも花壇とか人居たよ」
「衛士とか庭師だよ。王宮の警備や庭なんかの維持管理に配置されてるんだ」
「通行人じゃなかったの?だって村の大通りよりいっぱい人居たよ?」
どうしても基準が住んでいた村だ。
村の総人口より王宮使用人の方が人数多いなんて私は思いもよらなかったのー!
そんな辺鄙な過疎村だったのか?アソコ。
同世代がいない筈だわ。
クラリスの実家って、お城って言うか城塞…だよねー、コレ。街の防壁も凄かったけど、コレも中々。
「お帰りなさいませ、お嬢様。それに、ようこそ、ケインズシティへ。ミルキィ様」
亜人平民だけど、どうやら賓客扱いだよー。
応接間へ通される私達。
「ようこそ、錬金術師ミルキィ。それにおかえり、クラリス。ジオもご苦労」
「ただいま戻りました」
「御意」
「初めまして。しばらくお世話になります、ケイン辺境伯様」
しばらく歓談した後、私達は近衛師団詰所へ。
クラリスは兎も角、私とジオは、割と乗り気で鍛錬場へ向かう。
うん、王宮にも負けてないよ、此処。
「ようこそ、近衛師団へ。ジオ!少しは強くなったか?」
出迎えてくれたのは、辺境伯家近衛師団長でジオの父君ズオウ=ヤザン准男爵。
「勿論です、父上」
うん、何せジオは騎士科初年度生徒最強。
『魔法戦士』に勝つ『戦士』として名を馳せてるし。
「ですが、彼女には及ばす。父上、彼女が錬金術師ミルキィ。今年度処か、古今最強学院生です」
ちょ?何て紹介するのー?
美少女錬金術師でいいじゃん。
「あー、まー、嘘は言ってねーし」
あれ?スルー?「誰か美少女だよ」ってツッコミは?
それはさておき。
やっぱり模擬戦!
私は、辺境伯家近衛師団の面々を叩きのめして。
とうとう、ジオの父上団長と相対してる。
確か…団長さんも『魔法戦士』だったよね。
特に雷属性が凄いって話。マトモに喰らうとヤバい、から…。
先ずは正統チャンバラ!
うん、私の剣技なんて児戯レベルな訳だ。いなされてる?全く通用してない。
では
これもいなされる、か。こーいう受け流し方があるんだー。勉強になるなー。
あ、剣が煌めいて…、コレは
パチン。
「成る程。それが
魔将ダームとの戦い。
コレを使った事、
「私の事、どれだけ聞き及んでますかー?」
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