第7話 郊外実習③
神官位、って結構凄い。
普通、聖職者って侍祭から始まり司祭、高司祭、最高司祭、教皇、法皇って位階が上がる。
神官は、外回りで色々熟せないといけないから最高司祭級の力を持っていて名乗れる職。本来ならとっても偉い存在。
でも、そこは聖職者。
身近な存在たれ、という戒めもあり『神官』が尊称の意味もある為『神官〇〇』と呼び、様とかはつけないんだとか。
まぁ、あまり厳密厳格にやる事でもないけど。
クラリスは神聖科だから細かい必要はあると思う。が、私達はかんけー無い。
それはともかく。
墓地で傷だらけのフラフラな男性は神官ソンダクの護衛として雇われてる冒険者の1人で、ディブロと名乗った。ランクCの剣士だと。
ちとヤバくない?
ディブロさんが、ここまでボロボロのフラフラって事は、この墓地に出る魔物若しくはアンデットはランクBを超えてる事になるよ。
「ランクBってなると、ゾンビやグール程度じゃないって事だ。まさかヴァンパイヤとか」
私もそれ、考えた。
不死系上位魔物のヴァンパイヤはランクAで、相手にするにはかなり厳しい。
「いや、リビングデッドだ」
殺された冒険者の怨念が、着ていた
その疑念を聞いてみたら。
「神官が…、その神官が急にいなくなっちまって、俺と
なるほど。逃げるしか手はなかったワケだ。
ん?神官がいなくなった?
「どういう事でしょう。神官ソンダクがいなくなったと言われましたか?」
「あぁ。なんて言うか、その、かき消す様にいなくなってしまって」
そういえば、その
「相棒の方もいなくなったの?それとも」
「あ、アイツは…」
うん、察した。
「ま、コレ飲んで。
私は
「あ、ありがとう…。ゴク、グビ…、な、コレは?まさか、ここ最近ギルドでも噂の?まさか、君が?」
「あぁ、コイツが評判の、学院首席の錬金術師ミルキィだぜ!」
何故ジオがドヤ顔してる?
「君が…、こんな子供が?いや、確かに凄い効き目だ」
学院長や購買部のスーラおばちゃんから聞いてはいる。私の作った薬各種が、その効能が噂を呼んでギルドから納品要請が来てるって。
ヤバくない?噂を実証しちゃったよ。
ま、どっちにしろ学院の許可ないと納品もクソもないから、カンケーない!筈?
陽の高い内は墓地に異常は無い。
至って普通。…だから私達は夜を待った。
神官ソンダクが消え失せた事、ちょい気になったけど。
馬車に戻って仮眠を取る。
半分はカマかけ。でもディブロさんは私達の馬車を護る様な形で近くの木陰でやすんでいた。
そして薄暮から宵闇へ。
墓地の地面が盛り上がり、
「今度のは効くよー」
ポイポイポイポイ!
自作聖水にコッソリ私の血を混ぜて、投げる直前に魔力攪拌を施したヤツ。
パリィーン、バシャ!
ギャアアアア!
ゾンビ達の悲鳴って、中々聞けないと思う。
まぁ、聞きたくもないけどね。めっちゃ耳障りだよ。
ジュワワワーッ!
掻き消す様に溶けてく感じ?
出てきてるのは勿論、出掛かってる奴、それに地面空間が浄化されてく。
されないグールとかものたうち回ってるね。
必殺の大鎌を取り出す…、クラリス達には召喚してる様に見せてるけど
チク。
軽く刃に指先当てると薄く血糊を這わす。
尤も、光属性の剣になったジオのミスリルソードが殆どの浄化されてないグール系を屠ってるから、私やクラリスに向かってくる奴等だけ斬り捨てていく。
「
クラリスの神聖呪文が発動する。
この時間稼ぎを私とジオはやってた。
流石は
「まさか、それ程の聖女が来るとは…」
その声は?は?神官ソンダク?
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