第6話 郊外実習②
せっかくの光魔石。それも2個。
光魔石をフラスコに入れて、水魔法で純水を作って入れて…。テラスだけど、私のカバンにはフラスコ位は常備してる…と見せかせて
「魔力充填…粉砕…攪拌…。触媒の乾燥パル草粉末投入…で更に攪拌」
フラスコの中に、やや薄緑に輝く
それをジオの剣に垂らしながら、ココから本番。
剣を中心に複雑な重層魔法陣を錬成する。
「充填…
魔法陣が消え、付与結着剤に濡れた剣に属性魔法式が浮かび上がって後霧散する。剣は少し白く輝きを増した形になった。
「これで光属性の剣になったワケだよな」
「うん。その代わり以前付与した雷属性に上書きした形になってるから、雷鳴剣は使えないよ」
「それはしょーがないな」
まぁ2属性付与も出来ん事はないけどね。
前の属性を残したままで更に属性付与するって中々にメンドクサイ。上書きが単純で楽。
どのみち
「でもホントに2個とも使いやがった。ミルキィ、マジでついて来ない気かよ」
「いくよ。でも今回は属性つけなくても、ちょい血をつけるだけでいいから」
軽く指先切って、血に濡れた指を刃に這わすだけでいい。魔人族の血がついた刄に魔人族の魔力を込める事で、神聖属性並の浄化能力を得る事が出来る。
そう。血を塗った刄を私が持つ事が大事なの。
じゃなかったら貴重な魔石、潰す必要ないから。
私の血を塗ればいいだけだし。
「そういうものなの?」
「まぁーねー」
出発は明日の朝。結構早い。
だから準備は早めに。私達は自室に戻り手早く準備していく。
「ごめんなさい、ミルキィ。でも、どうしても貴女に来て欲しいの」
準備の手を止めて、クラリスが謝ってくる。
私達は学院寮で
辺境伯令嬢と平民亜人MIXが同室なのも、王立学院ならではの話。
尤も、私には学年首席ってアドバンテージがあるけど。
「まぁ、そこまで頼まれたら断れないよね。だから、ミルキィにおまかせ!」
私の笑顔に、やっとクラリスも笑顔を返してくれた。私なんかと違って、クラリスの笑顔は金貨1000枚にも匹敵する輝きだよねー。
何がいる、何が出る?
あーだこーだ、言いつつ私達は準備を進めて寝た。
翌朝。
学院の馬車を借りて私達は出発した。
王都の端だから、徒歩でもそれ程遠くない。が、準備した荷物が少し多い。ロバでも用意して、その背に運んでもらう事を考える位。
私はアイテムボックスを持ってる。多分、よゆーで入る。誰にも…クラリスにも言ってないけど。だから、コレは
せっかく馬車で行けるんだから。私は現地着まで一眠りする事にした。私の膝の上にいる
特Aクラスが使える馬車は、あまり揺れる事も無く結構快適。仮眠よりは充分な休息を取る事が出来た。
「お嬢様方、そろそろ着きますよ」
学院馬車従卒が起こしてくれた。
この馬車は拠点って言うか、安全なキャンプも兼ねてる。それ位防護魔法をかけられてるんだ。
目の前の墓地。
明け方、少し肌寒く、日の光が差しているというのに何かが徘徊してる。
と、ゆっくりと奥へ消えていく。
どうやら日の出タイムリミットみたいね。
それじゃ、邪魔者もいなくなった墓地に。
一応、造った聖水を蒔いて…、うん、多少気配が軽くなった?
「気休め程度しかなってないわね、クラリス」
「少なくとも雑魚は浄化されたってコトっしょ?」
「それだけでも大助かり。1回分『
神聖属性は必要魔力が高めだ。
「後は日暮れで…、え?は?誰?」
「おい、大丈夫か⁉︎」
茂みからフラフラって出てきた冒険者風の青年。
うん、鑑定で見ても
「まさか、神官ソンダクの護衛の方」
「あぁ、あんた達は」
「実習で来ました、王立学院神聖科のクラリスと」
「護衛
「護衛
「ちょっと!貴方達も…。騎士科のジオと錬金術科のミルキィ。それで、神官ソンダクは」
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