第14話  OC-1

「ハロー?」

おはようgood mornig。どなたかな?」


 A国の東海岸ではまだ早朝。かかってきた電話は場bb号が非通知であった。


「Dr.ヤング。僕はあなたと以前あったことがあります」


 たどたどしい英語。

 まだ声変わりしていないかのような声。

 忘れもしない。日本で会った少年。


「久しぶりだね。連絡してくれてありがとう」

「Dr.ヤング。あなたはFBIの特別顧問と聞きました。お願いがあって電話しました」

「ほお。なにかね?」


 何かのコネを期待しての電話であろうか?

 そうだとしたら、少し興ざめだ。


「N Cityの2Streetのごみ箱に爆発物が設置されています。また、2ブロック東と1ブロック南にも設置されています。テロです」

「なんだと?」


 いたずらかと思ったが、日本で会った少年は悪ふざけをするような人物には見えなかった。

 だが、遠く離れた国に住んでいる彼がどうして爆発物があることを知っているのだろうか。

「N Cityの2Streetと2ブロック東と1ブロック南です。調べさせて下さい」

「なぜ君がそんなことを知ってるんだ。君は一体何なんだ」


 電話越しの相手の声が一瞬詰まったのがわかった。

 少しして・・・彼は告げた。


「・・クロック。いえ、僕はオーバークロック。僕は未来を見ることができます」


 そして、いきなり通話が切れた。


 受話器から流れる、ツーッ ツーッ ツーッ という音。


「・・・OverClock?」


 理解できない言葉に唖然とした。

 たしかに、少年とはそのような会話をしたのを覚えている。

 だが・・・まさか本当に未来を見ることができるなんてことがあるのだろうか?


 Dr.ヤングは、改めて電話の受話器をとり、とある番号に電話をかけた。


「もしもし?早朝にすまない。いたずらかも知れないのだが、一応調べてもらえないだろうか。N City 2nd Streetの・・・」



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 2 Streetとなっているのは、英治が英語を間違っているからです。

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