ぽっちゃり妻の内なる『アイツとあの子とその他数人』
千八軒
他人の知らない多重人格の世界
俺の妻は多重人格だった。
正式な病名は、
だが一般には多重人格と言った方が通りがいいだろう。
一人の人間の中に、何人かの別人がいる――っていうあれだ。
小説やドラマ、漫画の中では時々出てくるのこの言葉は、フィクションによって世の中に広まっている。
俺は小説執筆を趣味にしているアマチュアだ。
そんな俺のTwitterではいつも創作界隈が盛り上がっている。
たまに見かけるのは
「二重人格のヒロインはどうかなぁ?」
いいと思う。俺も昔そういう話を書こうと思った。
一人で二回美味しいヒロインだ。
設定だけでご飯三杯行ける。ドラマも作りやすい。
だが、妻と出会って、現実として存在する、
最高の取材対象がいるのになぜ?
リアルで見るその病気は、複雑で、めんどくさくて、案外と夢の無いものだったからだ。夢がない。これが一番しっくりくる。フィクションには向かない。
すっかり出てこなくなった彼らの事を思うと、さみしい気持ちもある。
必要がなくなったから消えたのだから、もう会えなくてもいいのだが。
登場人物は、俺こと
そしてアイツの名は
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます