2.三人暮らし
次の日、朝ごはんを食べようとキッチンに行くと、いつも通り、お兄ちゃんがご飯を作っていた。
「おはよう。メル。今日はメルの好きなプリンがデザートだからな。」
「やったぁ!お兄ちゃん大好き♡」
昨日の『あれ』は悪夢だったんだ。
お兄ちゃんは私だけのお兄ちゃんだ。
私は超笑顔。
食器を運ぼうとお兄ちゃんの方へ行く。
あれ?お兄ちゃん、何で食器が3つなの?
パパもママもいないのに…
そ、そっか。お供え用だね!
パパとママの位牌の前に持ってかなきゃ!
「ふわぁ…おはよう。リレン、メルちゃん。」
キッチンに入って来たのは…あの女…
悪夢じゃなかった…現実だったんだ…。
私は女を思いっきり睨み付けると、お兄ちゃんに、体調が悪いから自分のペースで食べると言い、自分の分のご飯を持って部屋に籠った。
キッチンから聞こえてくるお兄ちゃんとあの女の楽しそうな笑い声。昨日までは私がお兄ちゃんと笑ってたのに…。昨日まではお兄ちゃんは私だけを見ててくれたのに…。昨日まではこの家での暮らしは私とお兄ちゃん2人だけのものだったのに…。
許せない…。
必ずあの女からお兄ちゃんを取り戻してやる…!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます