何時何分? 心臓が何回動いた時?
神楽堂
第1話 入院
ピッ ピッ ピッ ピッ ……
俺は今、病室のベッドに寝ている。
俺の体のあちこちにセンサーが取り付けられていて、
枕元では、モニターが正確に、俺の血圧や心拍数を表示している。
医療機器ってすごいよな。
こうして、人体の状況がはっきり数字で分かるのだから。
モニター画面では、ハートマークが
俺の心臓の鼓動にシンクロして点滅している。
ご丁寧なことに、毎分の平均心拍数まで表示されている。
そうか、俺はこの1分間にこれだけ
心臓を動かしていたのか。
これが1時間、あるいは1日、あるいは1年だと、
相当な数の心拍数になるのだろうな。
そう考えた時、ふと、
昔読んだある文献を思い出した。
心拍数が多い生物は早く死ぬ。
心拍数が少ない生物は長生きする。
本当だろうか?
心拍数が毎分600回のネズミは4年で死亡。
心拍数が毎分 40回のゾウは70年で死亡。
生物の生涯心拍数はだいたい同じくらいなのではないか
という仮説だ。
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