519 魔王タイプ・ダンジョンマスター
『%&%$:&%$#$%&バビバビビババ』
【鑑定】さんが仕事してくれない。
いや、微妙な仕事ぶりなのはいつも通りなんだけど、名前も読めないってなんだ?
「お前はなんだ? 向こうの大陸で暴れているっていうダンジョンマスターか?」
「なんだそれ?」
少年は悲壮な顔のまま微妙な表情を浮かべた。
吊り上がり気味の目、微妙に整った顔、黒髪黒目で肌色もそうだし、なんか地球のアジア系っぽいな。
日本人と断言できないけど、カガミカズヤを思い出させる。
「俺は……ダンジョンマスターだ」
「それは見ればわかる」
「わかるってことは、他のダンジョンマスターを見たことがあるのかよ。原住民がこんなに強くなってるなら……言ってくれよな」
変な愚痴を吐いている。
「やっぱり異世界の住人なのか」
「そうだよ。異世界で、超常的な存在にスカウトされてダンジョンを管理している」
「なんでこんなことをした?」
出入り口のポータルを水の中に隠してオークを派遣するのは、あきらかに侵攻を意図している。
他のダンジョンでは考えられないやり方だ。
「ダンジョンにはいくつか役割がある。この世界で俺に与えられた役割は、危機感を煽る役だ」
「危機感?」
「ダンジョンを放置してはいけないっていうな」
「なるほど? だから入り口を隠して、近くにある人間の領域を攻撃していたと?」
「そういうことだよ。魔王プレイだ。うまくやれば雇い主からボーナスがもらえる。なぁ、俺はあくまで言われたことをしただけなんだ。だから……」
「魔王なら逃げるんじゃなくて、倒されないとな」
逃げる素振りを見せたので、竜骨剣で切り捨てた。
ダンジョンマスターの体はあっさりと斜めに切れて、血泥と化す。
だけど、倒し切ったのかどうかは、なんか微妙な気がする。
よくわからない感覚だな。
魔王プレイをさせる代わりに死なないのは保証みたいなのが、雇い主からされているのかもしれない……なんかそんな感じがする。
感じがするっていうのは【ダンジョンマスター】を通した感覚だ。
そして【ダンジョンマスター】が成長して+4になっていた。
後、ここのダンジョンの支配権を手に入れたみたいだ。
モンスターのデータなんかは頂いて、後は全部撤収する。
ダンジョンの消滅に合わせて、外に出ていたオーク軍団も消えて魔石に変化しているはずだ。
ケイオスアイズで確認……よし、問題なし。
【転移】で帰還する。
「終わったようだな」
ソウラたちのところに行く。
オークたちはいなくなっているが、ソウラと近衛騎士たちは武器を収めていなかった。
鋼月たちはなにもしなくてもなんとなく俺と繋がっているので、戦闘が終了したことを認識している。
鋼月と葬銀以外の騎士型ブラッドサーバントとオボロゲニンは待機状態になり、リューヌは褒めろと言わんばかりに俺に顔を押し付けてくるので撫でまくる。
スリサズも兜を脱いで楽にしていたみたいだけど、コルソンは俺が来てからようやく兜を脱いだのか、鎧から湯気が溢れている。
「この短時間でダンジョンを攻略か。わかってはいたが、とんでもない実力を身につけたんだな」
「ダンジョンばっかり潜ってるからねぇ」
ソウラの意味深な視線に、俺は乾いた笑いで応じておく。
警戒されているというのではなく言外に「私も連れて行け」という意思が存在しているような気がするんだけど、女王様を連れて行っていいものなのかどうか。
武闘派の国なのはわかっているんだけどね、さすがにね。
「では、この後で存分と夫婦の営みでたしかめるとしよう」
その営みはきっと、ベッドの上の話じゃないねぇ。
まぁいいけど。
とりあえず鋼月、葬銀、リューヌは《召喚・極》で温泉里に送還し、残りは《転移》でザルム武装国に戻る。
今回の戦いは都市まで来ていなかったので、大々的な勝利宣言とかはなしで、大臣たちにだけ事情を伝えることになった。
それからなぜか……いや、予想通り?
訓練場に行ってソウラとやり合う。
ああ、なんか前よりも強くなっているのがわかる。
【槍術達人】が成長してるね。
ただまぁ、こっちもダンジョンの深部なんかでゴリゴリにスキルを育てたので、対応できている。
ていうか、たぶん【槍術達人】の+数は俺の方が多い感じかな。
前にバッシュともやり合ったのでその差もわかるしなぁ。
それが気に入らないのかソウラがむくれた。
武闘派美人が頬を膨らませる場面に出くわすなんてことがあるとは。
わかった。
じゃあ今度、みんなでめちゃくちゃ戦える場所に行こうと言ってみると、明るく了承した。
大臣たちもそれは素晴らしいという。
いいんだ。
まぁその時には、女王不在でなにか起きないようにしとくよ。
鋼月と葬銀を派遣しておけばいいかな?
そんな感じで休息を取ったような取っていないような感じで翌朝、帰るのとアキラを迎えに行くのでソウラも連れて《転移》で温泉里に移動。
アキラは上機嫌に過ごしていたようだ。
仲介役を頼んだリリシアだけでなくフェフたち女性陣の全員になつき、アイシーたちと仲良く過ごしていた。
兄弟が揃っている光景はいいなぁ。
サマリナのところのシフォンや、イリアのところのイース、ゼラのところのセーラとかも一緒に揃う時があればいいんだけど。
いや、俺が頑張れば揃うことができるか。
一度、それぞれに話をしてみようかな。
ーーーーーーーーー
以前にたぶん【槍豪】って言っていたのを【槍術達人】に変更。
ごめんね。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ロボ×宇宙冒険物がやりたいと思ってやった。反省は(略
新作です。よろしくお願いします。
「冤罪魔王と悪役令嬢ロボの銀河騒動記」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。