518 邪竜神謁見
次は、また広い空間に出た。
最初に見た城塞よりも広そうだ。
これは十階以上の空間を合わせているな。
眼前にあるのは巨大な山々……山脈の光景。
そして、その山の頂付近に、巨大な城が見え隠れしている。
高所にあるから雲がかかってしまっているのだ。
もしかしたら、山脈のどこかにある入り口から迷宮に入って登っていくのが仕様なのかもしれないけれど、今回はそんなことに従う気はない。
【魔王竜変化】を使って竜になりつつ、上昇していく。
やっぱり、ここで空を使っての移動は反則扱いだったようで、山脈のあちこちから飛行する魔物が接近してくる。
『パニッシャー・ドラゴン:飛んでる侵入者が大好物』
ドラゴンだ。
トカゲボディに皮膜の翼という、らしい姿をしている。
サイズはドラゴンロードに比べると小さい。
とはいえ、数はすでに百を超えて千に近い数に群がられようとしていた。
そいつらが一斉にアシッドブレスを吐きかけてくる。
強酸の粒子が濃密に満ちた空気の中にいれば、普通なら大火傷に装備は大痛手、そうでなくとも呼吸ができなかったり、粘膜部分に激痛が走り、吸い込んでしまえば呼吸器や内臓がやられてしまっていたに違いない。
全部、魔王竜の鱗で弾き返しているので効いてないけど。
効いていないとわかると、パニッシャードラゴンは接近戦に切り替わった。全体で飛びかかり、噛みつき、しがみ付き、引っ掻くつもりだ。
面倒な。
【不滅の邪炎息】と【レーザーブレス】を吐きつつ、【病毒生成】で作った即死毒を【毒瘴気】でばら撒きながら上昇していく。
攻撃を掻い潜って噛み付いてきた奴には【病毒反応装甲】で即死毒を口の中に直接放り込むという荒技で潰していく。
さらに【支配の邪眼】で一部を支配し、いつもの補助満載で強化して仲間内でも争わせる。
パニッシャードラゴンは尽きることなく出現し続けているけれど、こちらの上昇を止めることはできていない。
すでに高度は雲を越え、山脈の上にある城を見下ろす位置まで来ていた。
そこから城に向かっていく。
大量に出来た血泥を使って、ブラッドスライム・エンジェルとブラッドスライム・セラフを大量召喚してパニッシャードラゴンへの壁としつつ、城に向けて【不滅の邪炎息】を吐きかける。
城に届く前に透明な膜に遮られた。
結界か?
邪炎は結界の表面を燃えながら滑り落ちて、山脈を焼く。
それなら……【魔法強化】【魔王式】【重力禍】【レーザーブレス】……【融合】によって【グラビトロンブレス】が出来上がる。
命中点に瞬間的に超重力を発生させ、周辺との事象差によって大爆発を引き起こすという……言っている俺自身にもよくわからないけどとにかくすごい感じなことが起きて、結界の破壊に成功。
さらなる【グラビトロンブレス】を城に放ち、破壊していく。
「もうやめろ!」
度重なる爆発とその他の戦闘音を無視しする声が俺の脳内に直接響いた。
「降参だ! 参った。もう地上を侵攻しない! だから!」
交渉決裂。
【グラビトロンブレス】を再び吐き、城の半分を削った。
「ああくそっ! やめろよ! やめろ! さもないと……!」
無視。城を完全に吹き飛ばした。
「クソがっ、ダンジョンジャンキーめ! くたばれ!」
声がそう叫ぶと、山脈そのものが割れた。
そして、そこから巨大な蛇竜が姿を見せる。
『蛇竜神アジ・ダハーカ:全てを貪る邪悪。お腹ぺっこりんちょ』
【鑑定】さんは空気を読まない。
前のところで見た蛇竜を超が十個ぐらい付けた巨大化をさせて、翼を生やしたのが蛇竜神アジ・ダハーカだ。
これがダハーカの本体か?
でっかい魔王竜状態の俺と比べても、蛇とミミズぐらいの差がありそうな質量差だ。
でもまぁ、これぐらいはそれなりに経験してきたわけだし。
急いでいるから【制御】は解除。
【グラビトロンブレス】をアジ・ダハーカに向ける。
【制御】を解除した超重力爆発は、周囲にいたパニッシャードラゴンを蒸発させ、アジ・ダハーカの蛇体に大穴を開ける。
それでも穴を開ける程度か……と思っていると、その周辺でなにか変化があった。
えぐい傷の断面から無数の魔物が溢れている。
『ダハーカ(分体):羽付きだ!』
【鑑定】さんの言葉通り、羽を生やした巨人のダハーカ(分体)が空へと舞い上がって俺に向かってくる。
そして、アジ・ダハーカもゆっくりと翼を動かし、上昇を開始した。
それを見ながら、俺は考える。
あのサイズがそのまましぶとさを証明している。
その上で、傷を付けたらそこからダハーカ(分体)が生成されて増える。
ダメージによるマイナス分が、そのまま魔物の増援になるって考えればいいのか?
動き出せば、その巨体は早かった。
瞬く間にその巨大な口を俺に近づけ、そして一気に飲み込んだ。
飲み込まれながら【不滅の邪炎】を吐く。
弱い内部を晒すとか、いくらなんでも舐めプ過ぎないだろうか?
邪炎はきっちりと内部に張り付き、焼き始める。
焼けた部分が蛇竜ダハーカに変化して襲いかかってくる。
ただ、【制御】解除中の俺の敵ではない。【樹血の魔手】で掴んで握り潰すのを繰り返す。
そこからさらに分裂魔物になったりせず、おとなしく血泥化した。
「よし」
倒す段取りはわかった。
そこら中に邪炎を吐きまくり、内部を焼いては蛇竜ダハーカを潰すという作業を繰り返していると、奥から嫌な音が聞こえてきた。
大量の水分が圧の変化で移動しているような感じの音だ。
咄嗟に【魔力盾】で壁を作る。
奥からやってきたのは予想通りに液体だった。
緑色のそれが、胃液なのか毒液なのかはっきりしないが、ダメージ的にも生理的にも被りたくない。
【魔力盾】が圧に押されて近づいてくる中、慌てて口に向かって移動する。
予想通り、口は開いていたのでそのまま脱出。圧に負けて【魔力盾】も崩壊し、緑色の噴水が山脈と地上に降り注ぐ。
強酸毒だったのか胃液だったのかはやはり謎だけれど、地上のあちこちで溶けて嫌な臭いが上がっている。
【夜の神性】
空を見上げた瞬間、日中だったにも関わらず、俺はこのスキルが使えると思った。
そして、使用。
瞬時に、空が夜へと変化した。
その瞬間、全ての能力がさらに上昇した。補助スキルや補助魔法の全てが効果を倍増させ、俺の能力値がとんでもない数値に跳ね上がっていく。
高いところで五桁にまでなっていたのが、六桁になったような……いや、もしかしてそれ以上かも。
見下ろせば蛇竜神アジ・ダハーカが口を開けてなにかをしようとしている。
ブレス系か?
だが、もう無駄なことだ。
【グラビトロンブレス】
超重力の大爆発は巨大なアジ・ダハーカだけでなく、その周囲の地面、山脈……ダンジョンとして生成された空間の全てを飲み込み、破壊し尽くした。
残ったのは、ただ熱のみ。
いや、もう一つ。
【炎熱吸収】で熱を吸い取りながら、降下していく。
地上に着く前に【魔王竜変化】も解除し、人間の姿でそれと対面した。
「お前が、オークの使者が言っていた王か?」
「ああ、そうだよ。クソったれ」
そう言って睨んできたのは、まだ十代ぐらいの少年だった。
成長:【竜闘気+5】【炎気+5】【不滅の炎+3】
獲得:【蛇竜ダハーカ】【強酸霧】【グラビトロンブレス】(派生)
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ロボ×宇宙冒険物がやりたいと思ってやった。反省は(略
新作です。よろしくお願いします。
「冤罪魔王と悪役令嬢ロボの銀河騒動記」
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