第3話
「ユラ!!そのプレーじゃない!」
「すみません……」
「そう思ってるなら行動で答えを返して」
と副キャプテンの
「梨都、大丈夫?」
と莉子が声をかけてくれた。莉子は人一倍人に敏感で心配性でもある。だから私はいつも莉子の優しさに甘えてしまう。
「り……莉子……」
私は莉子に子どものように抱き着いて泣きじゃくった。泣いても変わるわけでもないのは分かった。だけど苦しい気持ちを涙に変え思いっきり泣いた。するとルナさんが
「大丈夫?」
と声をかけてきた。私は涙を拭いて
「大丈夫です!!」
と言うとルナさんは笑って私の頭を撫でて
「全然大丈夫じゃないじゃん!……でも私も一年生の時ユラみたいにスランプになってセイに慰めてもらったな~」
「え!?ルナさんが?」
「私にだって上手くいかないときはあったのよ~あの時はね……」
とルナさんは色々話してくれてアドバイスももらえた。
「じゃあ私戻るね。落ち着いたら自主練しなよ~」
「ありがとうございました!!」
「莉子。」
「はい!」
「ちゃんと同期のこと観えてるからこれからもちゃんと観てあげてね。」
「はい!ありがとうございました!!」
ルナさんは体育館のまぶしい光のなかへ入っていた。
「莉子。」
「はいはい。梨都のやりたいことはわかるよ。」
「さっすが!」
私と莉子はその日夜遅くまで自主練をした。
「ごめん!!私先生に呼ばれちゃたから先帰るね!」
「わかった!私もう少ししたら寮にもどるね」
「わかった!!多分梨都のほうが帰るの早いと思うから部屋の鍵ここに置いとくね~」
私は黙々とシュートを打つ。絶対日本一のシューターになりたいと思っている。いや、ぜったいなるんだ。シュートを打って十本目大きくシュートを外してしまい外に転がってしまった。私が拾おうとすると
「梨都。」
「樹!?どうしたの?」
「遅いから迎えに来た」
「私あと一本入ったら寮に帰るからちょっと待ってね!」
と笑顔で言いシュートを打とうとコートに向かおうとすると
「梨都危ない!!」
私は樹に突き飛ばされシュートを打とうと思った場所からは遠い場所へドンっと突き飛ばされた。
するとガッシャーン!!という音ともに体育館になにかが落ちた音がした。
それはバスケットゴールが落ちた音だとわかるのに時間がかかった。
「いったい……」
私の右足は落ちてきたバスケットゴールに巻き込まれて変な方向に足が曲がり、大量出血してしまった。
そういえば樹の姿が見当たらない。周りを見回しても姿が見つからない。すると私の手に生温かい血が。落ちてきたバスケットゴールの下を見るとそこには
「樹!!」
頭から血を流し、足や手が変な方向に曲がっていて倒れている樹がいた。
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