LIVING BY NECK HUNTING sidestory 四足獣の鎮魂歌

SEN

LIVING BY NECK HUNTING sidestory 四足獣の鎮魂歌

LIVING BY NECK HUNTING sidestory 四足獣の鎮魂歌

台本:SEN  女3:男2 所要時間:約40分




説明欄や詳細文などに『作品タイトル・台本URL・作者名』の明記をお願い致します。

※各作品の著作権は放棄しておりません。無断転載や自作発言等、著作権を侵害する行為はお止め下さい。もちろん無断での改編や再配布も禁止です。

※あくまで趣味の範囲での活動や放送、金銭の発生しないツイキャスなど、各種配信サイトでの使用は基本的に歓迎しますが、金銭が発生するものはNGです。

※ツイッターのDM等でお知らせ頂けますとツイキャスなら聴きに行ける可能性があるので、よかったら気軽にご連絡下さい!

※アドリブ等はストーリーを捻じ曲げない、雰囲気を壊さない程度であればOKです



登場人物


イーア(女/16歳)

好奇心旺盛で元気な女の子。戦闘部族ジャミ民族若長の子供で三姉妹の長女。戦いのセンスがずば抜けていて正当後継者として日々修行している。


シーア(女/14歳)

三姉妹の次女。おとなしく引っ込み思案だが姉と妹の対しては気兼ねなく面倒みがよい。喋り方にどもる癖がある


リーア(女/12歳)

三姉妹の末っ子。元気で活発だが喧嘩っぱやい。言葉も乱暴だが戦闘センスがありイーアといつも修行している。


サハル(男/38歳)

ジャミ民族の若長。戦争で妻を亡くし3人の娘を育てる。落ち着きがあり何事に対しても冷静だがリヴィアの事になると憎しみが湧く


フラス(男/26歳)

リヴィア帝国七騎士団団長【義心】のフラス。クールでいつも言葉数は少ないが勝つためには手段を選ばず行動する冷酷非道。ジャミ民族への関心がある




配役表

イーア:

シーア:

リーア:

サハル:

フラス:



本編↓




サハルN

我らが山ノ神宿る時、漆黒になりて朱が収束する。その姿、正に四足の邪。狂える刃と化す。触れるなかれ



私たちの民族に伝わる言葉だが⋯もう、誰も意味さえわからなかった



リヴィアより遥か西⋯オアスの北西に位置する山々の麓に、私達ジャミ民族が住む村はある


はるか昔⋯我々は戦いで陣地を奪い合う民族として知られていた。だがもう今となっては古の話。戦う意味も無くなってきていた⋯戦争に巻き込まれ民族が少なくなってきているのだ。

この大陸で大きな戦争が起きているのが原因の1つである。


この戦争の火の粉が降りかかる前に⋯私にも選ぶ時が来たのだ





イーア

「はぁぁっ!」


◆SE剣を弾く


リーア

「くっ⋯⋯さすが姉さん、やっぱ強いや!」


シーア

「凄い⋯全然⋯何が起こったか⋯わからなかった」


イーア

「リーアもまだまだね!よし!次はシーア!おいで!」


シーア

「ぇぇえ?!⋯⋯私⋯も?」


イーア

「当たり前じゃない!ほら早く!」


リーア

「姉さん容赦無さすぎ⋯⋯ほらシーア!早くしないとご飯抜きだよ?」


シーア

「えぇぇ⋯それは…⋯困る」


イーア

「ほらほら!早く!」


シーア

「よしっ……おっりゃぁぁ!」


◆SE剣交




サハルN

私には3人の娘がいる。娘達はお互い切磋琢磨し、剣技を高めていった。その中でも長女のイーアはずば抜けていた。戦闘センスの塊、わずか15歳でジャミ民族の戦いの姿、参の舞まで極めていたのだ。大人になるまでにこれを極めた者は今まで居なかった


イーア

「ふぅぅ……よっし!こんなもんかな」


シーア

「手ぇ痺れた……お姉ちゃん本気だしすぎぃ…いてて」


リーア

「ほんといつも全力なんだから…疲れちゃうよ?」


イーア

「疲れたらいっぱい食べて寝るに限る!二人共!狩りにいくよー!肉だ肉!」


シーア

「えぇー!?い、今からー?」


リーア

「ほんっと馬鹿姉貴勘弁して……」


サハル

「もぅ狩ってきているぞ三人共!」


リーア

「ひゅぅ!さっすが親父!助かるぅ!」


イーア

「えぇー…狩りも立派な練習になるのになぁ!ちぇー」


シーア

「父さん…ありがと」


サハル

「イーア、あまり二人をいじめるなよ?お前とは出来が違うんだからな」


リーア

「んあっ?そぉれはちょっと聞き捨てならねえなー?私もそこそこ強くなってきたっしょ?」


シーア

「私も……頑張ってる⋯⋯もん!」


サハル

「はっはっは!イーアに一本でも取れて勝てるようになったらだな!」


シーア

「が、頑張るもん!」


リーア

「うちも負けないかんね!ぜってぇ姉貴倒して私が後継者になる!」


イーア

「おぉ?言うようになったねー!あはははっ!!」



サハルN

私達ジャミ民族も数が少なくなりとうとう私達家族4人だけになってしまった…戦争に巻き込まれどんどん減っていっていた。私の両親も、妻も⋯⋯私を護り死んでいった…この場所ももぅ危ういと感じている。⋯⋯早く離れないと


戦争の波がそこまで来ていた



イーア

「ん⋯⋯ん?⋯あれ⋯⋯二人とも居ない⋯外かな?」


◆SEテント開ける


リーア

「黙ってたらわからないだろ?話せよ」


シーア

「⋯⋯うん···リーアはさ⋯このままでいいと思う?」


リーア

「何が?」




イーア

「喧嘩?⋯じゃなさそうだな⋯⋯何だろ」




シーア

「お父さんはさ⋯⋯お父さんは⋯多分⋯⋯仇討ちしたいんだと思うの⋯⋯どう思う?リーア」


リーア

「⋯⋯気づいてたのか。そう⋯⋯親父は戦争やリヴィアを憎んでいるよ。⋯⋯私が生まれてすぐぐらいかな?姉貴から聞いた話なんだけどさ⋯母様がね⋯⋯⋯親父の目の前で殺されたんだ」


シーア

「⋯⋯私達の⋯民族同士の戦いで?」


リーア

「いんや⋯⋯俺たちジャミ民族が戦争に加担したんだ。その頃の長はお爺だったからね、お爺とオアスの王様は戦友だったみたいで、加担したんだとさ。劣勢を巻き返す為にね」


シーア

「⋯⋯そうなんだ⋯戦争で」


リーア

「あぁ⋯⋯戦闘民族の俺たちに飛び道具や火薬何てものは無いからな⋯正面から突撃した俺たちを待っていたのは矢の雨と鉄の塊、そして火の海だった。それから親父を護るため母様は⋯」


シーア

「卑怯だね⋯⋯リヴィアは。正々堂々と争わないなんて」


リーア

「それがやつらの戦い方だ。勝てば正義としか思ってないだろう。私たちはもう古い民族⋯⋯進化を止めた人間は置いていかれるか負けて消えるだけなんだよ」


シーア

「父さんの仇⋯⋯討ちたいね」


リーア

「あぁ⋯叶うならな。⋯⋯俺達も強くなんねぇとな!イーア姉ばっかに任せてらんねぇぞ?!」


シーア

「⋯⋯うん!いっぱい食べて、寝て、戦って!私⋯⋯強くなる!」


リーア

「あっはははは!シーア姉も頼もしいな!!」


シーア

「よーし⋯⋯狩りに行こ!リーア!」


リーア

「えぇぇ!!?今っ!?こんな夜中に!?⋯⋯馬鹿姉貴譲りの無茶っぷりだわぁ」


シーア

「早く!!行こいこー!!」


リーア

「はぁ⋯⋯はいはい付き合いますよ!行きますよっと!」




イーア

「⋯⋯二人とも⋯⋯私が護らなきゃ。誰も死なせない」




サハルN

私は心の底から父親を憎んでいた⋯⋯この民族に生まれた宿命か因果かわからないが、ジャミ民族のほとんどが⋯私の父親と妻と共に去っていった。


それでも私達四人は…幸せに暮らしていた



シーア

「ね、姉さん!」


イーア

「ん?どうしたー?シーア」


シーア

「私達…もっと強くなる……強くなって姉さんや父さん…護る」


イーア

「シーア……そうだね…お互いがお互いを護りながら、生きて行こうね」


シーア

「うん!」


イーア

「シーアはいい子だなぁ」


シーア

「えへへ」


リーア

「姉貴!」


イーア

「ん?リーアまで…どうした?」


シーア

「リーア!」


リーア

「んぁ?シーア姉も居たのか?……まいったなぁ」


イーア

「ん?何がまいったの?」


シーア

「いゃ……そのさ…姉貴達はさ···俺が護るから!な!以上!じゃぁな!」


イーア

「え、あ!ちょっとリーア?!」


シーア

「フフッ……リーアらしいね」


イーア

「そうね……二人共……ありがとうね」




サハルN

娘達は互いを励まし合い、支え合い…強く生きている。妻が死んだ時イーアは墓から離れなかった。イーアに寄り添うようにリーアもシーアも三人で泣いていた。この地に生まれ、ジャミ民族として生きる宿命が我々···だが……戦いの為に生きる部族というのはもぅ時代遅れなのかもしれない。一族ももぅ我々四人のみ……普通に暮らす事も娘達にとっては幸せなのだろう





半年後……諸悪の根源が姿を現した





フラス

「ふむ……ここか。ジャミ民族の村は……にしても、人がいないな」


サハル

「何用か」


フラス

「……気配を感じなかったな⋯さすが噂に聞くジャミ民族だな」


サハル

「何用かと聞いている……その服……リヴィアの者か」


◆SE剣構える


フラス

「ふっ……話を聞きに来ただけだ」


サハル

「貴様等に話すこと等、何も無い…失せろ」


フラス

「一族はどうした?貴様一人か?」


サハル

「よく言う…貴様達がそうしたんだろう」


フラス

「貴様達がオアスに協力したからだ。自業自得というやつだ」


サハル

「一族の判断だ、後悔はしていない。⋯⋯殺されにきたようだな」


フラス

「対話もろくにできないようだな?無粋な一族だ」


サハル

「……要件を言え…それから殺してやる」


フラス

「衰退した貴様等一族に興味はない……が、その戦い方を無くすには惜しいと思ってな」


サハル

「正統後継者はこっちでしっかり決めている…貴様達に真似できるような代物ではない」


フラス

「正統後継者は貴様ではないのか?まだ若いではないか」


サハル

「私ではない…正統後継者は──」


イーア

「父さ………誰」


◆SE抜刀


フラス

「この子か?……若いな」


サハル

「下がっていろイーア」


フラス

「私の配下にならないか?悪いようにはしない」


サハル

「私達にしたことを覚えていないようだなっ!!!」


◆SE剣交


フラス

「ふっ⋯⋯勿体ないと言っているのだ。お前たちの戦いの姿は正に鬼神」


イーア

「父さん!私も加勢を!」


サハル

「下がれ!!!」


イーア

「っ!?」


サハル

「お前にはまだ参の舞までしか教えてなかったな…今から見せる肆の舞をしかと眼に焼き付けておけ」


フラス

「ふっ…···お手並み拝見といこうか?」


サハル

「……ジャミ民族戦いの姿──」


◆SE抜刀×3


サハル

「肆の舞」


フラス

「来い」


サハル

「ぅぅぉぉぉぉおおおおっ!!!」


◆SE剣交(鳴り続ける


フラス

「くっ!⋯この手数⋯⋯隙を与えない攻撃っ、やはり面白い!面白い一族だ⋯⋯ふははっ」


イーア

「⋯凄い⋯⋯手足を使っての四刀流での隙を与えない多重攻撃⋯⋯目が離せない」


◆SE走り近づいてくる


シーア

「姉さん!!っ!?こっちにもリヴィア兵が?」


イーア

「シーア!?どういう事なの?!」


シーア

「リーアと一緒に居たら⋯リヴィアの兵隊がジャミ民族かと訪ねて来たの⋯⋯お父さんの所に逃げようと思って⋯でもリーアが⋯リーアが」


イーア

「っ!?」


サハル

「イーア!リーアの元へ行け!私は大丈夫だ、まだ半分も力を出していない!!!」


フラス

「ふっ⋯⋯それはこちらもだがな」


サハル

「くっ!⋯ぅぅぅぉぉお!!!」


◆SE剣交鳴り続ける


イーア

「父さん⋯⋯くっ···いこう!シーア!」


シーア

「うん!父さん⋯⋯負けないで」


サハル

「負けるものか⋯こんな小僧に!ジャミ民族の戦いの歴史を越えられるものか!!」


フラス

「⋯⋯ふっ」



◆SE剣交




リーア

「くっそ⋯⋯リヴィアぁ!」


◆SE剣交


リーア

「硬ぇ⋯⋯あらゆる箇所の鎧が厚すぎて肉体まで届かない」


イーア・シーア

「リーア!!!」



◆SE走り駆け寄る


リーア

「イーア姉!無事だったか⋯シーア姉も」


シーア

「リーアも⋯でもこれだけ⋯数が居るのに⋯何故全員で⋯⋯来ないんだろ」


リーア

「馬鹿にしてんだろ⋯ジャミ民族を」


シーア

「それは⋯⋯屈辱ね」


イーア

「分厚い装甲兵みたいね、苦戦したでしょ?リーア」


リーア

「苦戦なんてもんじゃねぇよ⋯あの鎧を貫通しないと勝てねぇ、絶対に」


イーア

「二人とも、見てなさい」


◆SE抜刀×2


シーア

「え?」


リーア

「ちょっとイーア姉」


イーア

「兵隊さん···私が相手よ⋯⋯はぁああ!!」


◆SE走り→避け


イーア

「ふっ」


◆SE刺さる→血吹


シーア

「凄い⋯どうやって」


リーア

「どうやってあの装甲を貫いたんだ⋯いつも見てる姉貴の弐の舞にしか見えなかった」


イーア

「⋯⋯ジャミ民族を舐めない事ね。残りも、まだやるのかしら?」


◆SE構える


シーア

「かっこいい⋯⋯さすが姉さん」


リーア

「イーア姉!」


◆SE駆け寄る


イーア

「わかった?二人とも」


シーア

「全然」


リーア

「教えろよ!どうやったんだ?」


イーア

「よく考えて、よく見たらわかる。簡単よ?」


シーア

「よく見たら⋯⋯あ…私わかった」


リーア

「ええ?!⋯⋯⋯あぁーわかんねぇよ!教えてくださいー!」


イーア

「はいはい······隙間だよ、鎧の。そこに勢いよく刃を入れただけ」


リーア

「あぁぁ⋯⋯なるほど⋯⋯くっそ、めちゃくちゃ単純じゃねぇか!」


シーア

「でもこれなら⋯私達でも勝てるね!相手は重装兵で…動きも鈍い」


リーア

「あぁ!俺達の真骨頂は隙を与えない連打!」


イーア

「私と背中合わせに!⋯あと十人は居る、無茶はしないで2人で1人を相手にして」


リーア

「おぉう任せろ!余裕だぜっ!!」


シーア

「倒して早く⋯父さんの所へ」



◆SE足音近づく



フラス

「大丈夫だ安心しろ、こっちから来てやった」


イーア

「っ!!?お前は」


シーア

「父さんと戦っていた⋯⋯リヴィアの」


リーア

「誰だ…あのいけ好かねぇすかし野郎は」


フラス

「ふふっ、父親はここに連れては来れなかったが⋯私がここに来たと言う事は?」


イーア

「くっ!!!」


◆SE全力で走り出す


リーア

「あ!?イーア姉っ!!!くっそ!行くぞシーア姉!」


シーア

「う、うん!」


◆SE二人走り出す


フラス

「父親のところに向かうのですか?……フッ…どうぞどうぞ。お前たちも行くぞ」



◆SEぞろぞろと兵隊が歩く




イーア

「父さんっ!どこ!?父さん!!!」


サハル

「……ぅ」


イーア

「ぁぁあっ!?」


◆SE駆け寄る


イーア

「父さんっ…負けたの!?あいつに」


サハル

「……ぁあ……負けた……逃げろ…お前たちでは···勝てない」


イーア

「……父さん」


◆SE走り駆け寄る二人


シーア

「お父さんっ!……くっ」


リーア

「親父!」


サハル

「二人共……無事で…よかった……私を置いて全力で逃げなさい」


イーア

「できるわけがない!このままやられっぱなしでいいのですか!?」


リーア

「ジャミ民族の誇りは……どこにいったんだよ親父!」


サハル

「いいんだ……もぅいい……お前たちはそれに捕らわれず……自由に生きなさい。古の民族になりつつある私達はもぅ……」


シーア

「だめだよ……お父さんも一緒じゃなきゃやだよ!」


サハル

「私は大丈夫だ……ほら……まだ起き上がれるだろ?……ここは私が止めるから…早く行きなさい」


リーア

「無茶しやがって……ほら肩かせ!シーア姉!反対側を」


シーア

「うん」


サハル

「やめるんだ!……私が居ては逃げきれない……早く行きなさい……ここで全員死ぬことに意味はない」


イーア

「意味なんて無くていいんだよ!シーア、リーア…ここは私が止める……早く!父さんを」


フラス

「(拍手)……いやぁ実に素晴らしい家族、実に誇らしい民族だ」


イーア

「くっ!ここからは行かせない!!」


フラス

「父親も勝てなかった相手に挑もうという心意気、素晴らしい。だが……愚かだ。いけ」


◆SE鎧兵隊がぞろぞろ歩きだす


イーア

「行かせるものかっ!!!」


◆SE抜刀×2


フラス(耳元で

「敵から目を離すな」


イーア

「っ!?」


◆SE剣交


イーア

「ぐっ……何て間合いの詰め」


フラス

「実践経験があまり無いようだな……まだまだ未完成のようだ」


イーア

「ジャミ民族戦いの姿っ!!参の舞!!!」


◆SE抜刀


フラス

「ほぉ?両手に口に小剣を……面白い芸だ」


イーア

「ぅぅああああああ゛っ!!!」


◆SE剣交鳴り続ける


フラス

「なるほど……中々に筋が良い。流石は正統後継者……やれお前たち」


イーア

「はっ!?行かせない!!!うぁぁぁああああああ!!!」


フラス

「貴様は人の忠告を聞けないようだな」


◆SE斬る


イーア

「あ゛ぁぁぁっ!!?」


フラス

「ハハッ!これでしばらく走れないだろう?」


シーア

「お姉ちゃん!!!」


リーア

「くそっ!!!くそぉぉぉぉっ!!!」


◆SE抜刀×2


フラス

「次はお前か」


イーア

「は!だめっ!!!リーア!!!」


◆SE斬る×2→血吹く


リーア

「は……ぁっ………あ……あ」


イーア

「あ゛ああああああぁぁぁリーアァァァァ!!!!ああああああ!!!」


フラス

「ハッハッハッハー!いいのかぁ?正統後継者よ…······よし···もう一人殺す」


イーア

「やめろぉぉぉぉぉぉおおおおおおお゛!!!」


シーア

「あ………あああ…あぁぁぁああああああ!!!」


◆SE抜刀×2


イーア

「戦わないで!逃げて!シィィィアぁぁぁぁぁあああ!!」


シーア

「ぅぅああああああ゛!!!」


フラス

「まるでただ突進してくるだけの獣だな……何のセンスも感じられん」


◆SE斬る×2→血吹


シーア

「がはぁっ……ぐぁ………ぁあ…あ……イ……ア……ねえ」


◆SE倒れる


イーア

「あ゛ああああああああああああああああああ゛!!!」


サハル

「リーア……シーア………お前たちは………」


イーア

「あぁぁぁあああああ!!!ああああああ!!」


フラス

「泣き叫ぶだけか……長よ、これが本当に正統後継者なのか?何も護れないただ泣き喚く赤子ではないか」


サハル

「私の全てを託してある……イーアこそ正統後継者だ」


イーア

「あああ……リーアあぁぁシーアぁぁああ」


サハル

「泣きながらでいい……聞きなさいイーア」


イーア

「あぁぁ……ああああ」


サハル

「ジャミ民族は終わる……結局最も上の型はみつからなかったがお前ならやってくれるだろう……強く生きなさい……イーア…一人の女として」


イーア

「ぅぅううう……ううううあああ」


サハル

「愛すべき者を見つけその者の為に尽くしなさい……シーアもリーアも…二人はお前が更に輝く為に生まれ消えた…そして私もだ」


◆SE剣構える


フラス

「ほぅ…その身体でまだやりますか」


サハル

「ジャミ民族は引かない…例え最後の一人になろうとも!」


イーア

「父さん!!!!!だめだ!!!だめだよぉぉおおお!!!」


サハル

「うぉぉぉおおおおおおおおおおお!!!!!」


フラス

「愚かな」


◆SE剣が折れる×2→斬られる


サハル

「ぐぅぅっ!!!……ぐはっ……あ……ああぁ…サヒナ………すま…なかっ……」


◆SE剣落ちる×2


イーア

「あぁぁぁ……あああ…あ゛ぁぁぁあっぁあああああああああああああああ!!!!!」


◆SE何度も頭を地面に打ち付ける


フラス

「一番強い民族と聞いてわざわざ来てやったのに……まだ野蛮な蛮族の方がましだったか」


イーア

「ああああああああああああぁぁぁ!!!ぐぁあああああっ!!!!」


◆SE何度も頭を地面に打ち付ける


フラス

「フンッ……とうとう狂ったか」


イーア

「…………」


フラス

「ん?……息絶えたか?あまりにも頭を打ち付けすぎて気を失ったか?」


イーア

「…………」


フラス

「もぅお前にも用はない。じつにつまらない時間だった」


◆SE抜刀


イーア

「…………」


フラス

「死ね」


◆SE剣を振り下ろす→空を斬る


フラス

「な……いないだと」


イーア

「ふぅっ…ふぅっ…ふぅっ」


フラス

「足がだめなら手で這い、四つ足になり移動するか…フフッ···まるで本当の獣だな」


イーア

「ふぅっ…ふぅっ…ふぅっ」


フラス

「何とか言ったらどうなんだ、正統後継者よ」


イーア

「ふぅっ…ふぅっ…ふぅぅぅっ……イーア……だ」


フラス

「イーアとやら……血が眼に入りその眼も朱く染まっておるぞ?そんな様子で戦えるのか?この私と」


イーア

「父さんが……リーアが……シーアが教えてくれた……だから…負けない」


フラス

「………さっきまでと雰囲気が違う……このプレッシャーは何だ」


イーア

「ジャミ民族の型……今ようやく理解した……ありがとう父さん……伍までは知ってたよ……六が無いのも教えてもらった……けどその次がある……一族が辿り着けなかった七……両手足で四、口で五……あと二本は…こうだ………っぅぁぁぁぁぁぁああああああ゛!!!!!」


◆SE刺す×2


フラス

「なっ……両膝に……折れた剣を刺した……何を」


イーア

「ぐぅぅぅぅぅうううっ!!!………狂うことで······出せる···最後の型……もぅ痛みなんてどうでもいい。お前を殺す事だけしか考えない……ただただ受け続けろ。


狂い咲き乱れる七の型を。


あ゛あ゛ああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」


◆SE高速剣交(鳴続)


フラス

「くっ!!?七刀流っ!?ちぃっ……凄まじい手数…なんという速さ」


イーア

「あ゛あ゛ああああぁぁぁっ!!!


◆SE刺さる→高速剣交(鳴続)


フラス

「ぅっ!?…鎧の隙間を一瞬の隙をついて狙ってきている…ただ闇雲に斬りつけているわけでは無い!この女!………ちっ!お前ら!放て!生き捕らえよ!!」


◆SE吹き矢が刺さる


イーア

「がっ……ぁ……ぁあ」


◆SE剣を全て落とす


フラス

「当たったようだな……さすがはユクロの即効性麻痺薬だ。よし、よくやった。こやつを連れ帰るぞ…良い手土産ができた。フフッ……しかし私に傷を付けるとはな」


◆SE兵隊ぞろぞろ歩く





イーア

「……ん?ここは?父さん!?……シーア!リーア!……どこに行くの?」


リーア

「姉貴はまだ来なくていいところだよ!気にすんな!」


イーア

「え……それはだめなところだよ」


シーア

「お姉ちゃん凄いね!ほんと凄かった!」


イーア

「シーア……二人のおかげなんだよ?」


サハル

「イーア……よくやった……先祖様でさえ辿り着けない境地だ……誇りに思うよ」


イーア

「父さん……ありがとう…っ!その……人は?」


サハル

「……お前の……みんなの。母さんだよ」


イーア

「っ!!お母さん!!!あのね!私ね!正統後継者になったんだよ!凄い!?ねえ!お母さん!」


サハル

「イーア……ありがとう」


リーア

「元気でな!」


シーア

「あの人の事…頼んだよ?」


イーア

「え…あの人って誰?ねえ…みんな…置いていかないで!ねぇ!!みんな!!!シーア!!!リーア!!!父さん!!!!……母さん」






●間5拍




イーア

「ぅ……ぅぅっ…母さん………ん…ここは?………城の中?




貴方は……誰?」











































  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

LIVING BY NECK HUNTING sidestory 四足獣の鎮魂歌 SEN @sensensenkou

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る