【短編小説】未来の手紙 ~想い、時を越えて~

Yusuke Eigo

本編

こんにちは、若かりし頃の僕。


僕はいま、未来からあなたに向けて手紙を書いています。


ちなみに今日の日付は西暦2069年12月25日です。


80歳だけど、まだまだ元気です。


場所は冥王星の第3スペースコロニー。


ちなみに、さっきから5歳になる女の子の孫が、横で面白そうにこの手紙を覗き込んでいます。


さて、いまは新型コロナウイルスの感染が世界中に拡大し、毎日の生活が本当に大変な時期だと思います。


当たり前だった生活ができなくなり、毎日のように暗いニュースを目にすることで心の余裕も無くなっているかもしれません。


時には、「何で自分だけこんな目に遭わないといけないのか?」と思う瞬間や出来事も少なからずあると思います。


実際に、僕も当時は心の余裕が無くなり、些細なことで親友に八つ当たりしてしまいました。


彼とは一時期、その件で疎遠になってしまいましたが・・・。


後に仲直りをして、いまでも半年に1回ほどのペースで家族付き合いを続けています。


相変わらず声が大きいですが、とても大事な存在です(笑)。


大丈夫。いつの時代も、ずっと続く暗闇はありません。


いま皆で力を合わせれば、いずれ元の日常に戻れる日が必ず訪れます。


いまは、元の日常に戻った時に、友達と何をすればワクワクするかな?


家族であの国に旅行に行きたいな?新しいことを始めてみようかな?


そんな前向きになれることを考えながら、日々を過ごしてみてください。


人生の先輩から、少しばかり心が軽くなるアドバイスです。


どうか「心」と「体」の両方の健康に気をつけて。


適度な運動とバランスの良い食事を心がけつつ、笑顔を忘れないようにして過ごしてくださいね。


あなたが子供の頃から大好きな宇宙。


果たしていつから家族で旅行に行けるのか・・・今から楽しみに待っていてください。


それではまた、未来で会いましょう。


大丈夫、生きてさえいれば、きっと想像もできないような楽しい経験が、今後はいくらでもあなたを待っていますよ。


2069年12月25日 未来の僕より

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