【ー天災ー】52
この状況では直ぐに復興出来る規模ではないだろう。
雄介が最初テレビで見た時は嘘だと思って居た。 だが今東京に来て地震が本当にあったんだと思い知らされた瞬間でもあった。
そう雄介が思いに浸っていると、
「何、ボッーとしてんだよ!」
「あ、いやなぁ、今まで見てきた街並みが、ホンマに無くなってしまったんやなって思うてな」
「ホント、怖いよな、自然って。 それは後でって事で、今は元気な俺達が働かないとだろ?」
「ああ、せやな」
雄介は和也にそう言われて物資を運び始める。
暫くして物資を運び終えると、いつに間にか外は夕方になっていた。 それでも時間は動いているという事だろう。 これだけの災害が起きても時間だけは進んで行くのだから。
今日も一日を終えた太陽だけが静かに沈んでいくだけだ。
そしてまた闇に包まれる世界へと変わる。
雄介はこのままここでレスキュー隊として働く事になっていた。
今日の作業はここまでという事になったらしく望と和也は雄介を連れて病院内にある部屋へと向かうのだ。
部屋に入ってからは望も雄介も話そうとはしない。
じゃあ何の為に雄介をこの部屋に連れて来たのかが分からなくなってしまう。
そんな中、和也はこのままでは話が平行線だと思ったのか雄介の事をソファへと座らせるのだ。
そう望の方はもう雄介とは話をしないと言わんばかりに部屋へと入ると、自分の机に向かってしまっていたのだから、ここは和也がどうにかしないといけないと思ったのであろう。
和也は雄介を座らせた後に自分も反対側にあるソファへと腰掛け雄介の事を見上げる。
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