　そう和也に返信すると、望は指を動かして電話帳の中にある『雄介』にカーソルを合わせると通話ボタンを押す。

　すると何回かのコール音を聞いた後に流れて来たのは雄介ではなく留守番を知らせるアナウンスだ。

　それを聞いて望はその通話を切ろうとしたのだが、和也のある言葉を思い出す。

『何が何でも雄介には望の言葉で伝えろよ。　じゃなきゃ、心の中まで伝える事は出来ねぇからな』

　そう和也の言葉を思い出した望は雄介の留守番電話サービスへと伝言を残すのだ。

『暇がある時でいいから……電話待ってる……』

　和也に言われた事は全て望の方はやり切った。　だから後はもう雄介からの連絡を待つしかないだろう。

　とりあえず望の方は和也のおかげで心の中がスッとしたのか、今まで手がつかなかった料理を始める。

　フッと望は料理をしながら和也の事を思い出す。

　今回の事については本当に和也には世話になっているような気がする。

　ただの親友なのにここまでしてくれる人はいるのであろうか。　いや本当の親友だからこそここまでやってくれたのであろう。　もう望からしてみたら和也は上部だけの友達ではない。　そこまで望の事を気を遣ってくれるからこそ本当の親友なのであろう。

　望は料理を作り終えると再びリビングのテーブルへと戻るのだが、未だに雄介からの連絡はなかった。

「まだか……まだ、仕事なのかな？」

　望からしてみたら、かなり勇気を出して雄介に連絡したつもりだ。

　だが、その本人からは全くもって連絡がなく大きなため息を吐く。

　望はとりあえず食事を終えると、食器を洗ってお風呂へと入る準備は出来たのだが、何度携帯を見てみても雄介からの連絡はなかった。

　望はお風呂から上がると自分の部屋に行って。　ベッドの上に横になるのだが、未だに雄介からの連絡はない。

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