【ー記憶ー】17
昨日は久々に望と会って、昨日はその望の家に泊まれて今日は望と初めてデートでもする予定だった雄介。 あんな事があってしまった今ではその隣には望の姿はない。 恋人に抱き締める事を拒否されてしまったのだから、もう自分は恋人に嫌われてしまったと思うのが普通だろう。
もし昨日あんな事が無ければ今頃、雄介達も自分の目の前にいるカップルのようにイチャイチャでもしながら今日一日を楽しんでいたのかもしれない。
そう雄介は目の前にいるカップルを見ながらため息を漏らす。
確かに雄介は女性ではなく男性事を好きになってしまっていた。 最初、望に告白した時に望には「考えておく」という答えだったのだが、告白の返事は時間は掛かったものの望には告白の返事をもらっていて、今は晴れて望とは恋人同士にはなっていた。 だが昨日二人の間にすれ違いが生じ険悪ムードになってしまったというのは間違いない。
だから雄介は望の家を出て来てしまっていた。
電車を降りて自宅へと向かう雄介。
今の時刻は昼間の十一時。
完全に太陽は真上には登り切ってはいない時間だ。
まもなく東京では梅雨の時期を迎える。 お天道様の元でお布団や洗濯物を干せるには後少ししかないだろう。 雄介は帰宅してから溜まっていた洗濯物をお日様の元で干し始める。
この気温ならば今日一日外で干しておけば夕方には乾くだろう。
雄介は洗濯物を干すと窓を全開にして掃除を済ませ、そのまま床へと大の字になって仰向けになるのだ。
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