第32話

(フレイムボアの火袋は魔力を流すと入口から火を吹く、火炎放射的なアイテムですね。Eランクモンスターがドロップするものの中ではかなり価値のあるものです。簡単にドロップするものでは無いのですが…想像以上に恐ろしいスキルですね。〈幸運〉は)


確かに下から数えた方が圧倒的に早いEランクモンスターがドロップするにしては、火炎放射器は豪華なきがする。色々使い道ありそうだし。


俺たちが使う必要があるか?と言われると微妙だけど。


そう言えば今更なんだけどさ、なんでアンデッドが魔銀をドロップするの?

銀ってアンデッドからしたら毒みたいなもんってイメージがあるんだけど。


(どうなんでしょうね。実際銀で作られた武器はアンデッドに大きいダメージを与えられますが、魔銀では柔らかすぎて武器に加工することはできないですからね。神が何となく決めたんじゃないですか?)


もしくは人類が知らない魔銀の使い方が有るのかもね。


(ありえない話では無いですね。錬金術で魔銀を素材とした、普通に武器として使える新しい金属を作り出すこともできるかもしれません)


そうだよね。


そういう実験もやってみたいけど。そこら辺、実験するにしても拠点を作ったりとか生活基盤をしっかり固めてからだな。


兎も角アレーネさんの〈幸運〉はすごく便利ってことだね。

利用してるようで少し気が引けるけど。


ここじゃグールの出現確率自体が低いから魔銀を大量に集めるのは大変だろうけど。グールが普通に出現するダンジョンとかに一緒に行けば、簡単に魔銀を集められるんじゃないの?


(少し調べて見ます少々お待ちください)


調べる?もしかして魔導知能ってアカシックレコード的なものにアクセス出来ちゃうの?


(現時点では、ほとんどロックがかかっていて情報を確認することは出来ませんが。この世界の情報を一括管理しているサーバーのようなものにアクセス出来ます。今までもそこで調べてマスターに情報提供をしていました)


成程。じゃあこのダンジョンのマップ情報とか調べられたりしないの?


(そういった情報はロックされていますね。さすがにそこまで甘くないと言うことです)


やっぱり存在自体はするんだな。ロックを解除出来れば確認できちゃうわけだ。

どうすれば、ロックを解除して魔導知能が閲覧出来る情報を増やせるかさっぱりだけど。


あれかなレベル上げしてれば閲覧出来る情報増えたりしないかな。


まぁ、これに関しては俺がどうにかできる話じゃない気がするので、出来たらラッキーぐらいの気持ちで行こう。


(おまたせしました。未発見のダンジョンですが。アンデッドがメインでグールも出現するダンジョンが)


嬉しいけど、嬉しくないな。

当然のように腐ってる系のアンデッドは臭いし。

さっきはルーン魔法で消臭して何とかしたけど。

そこに行く時は、もっとしっかりした対策装備を作ってから行こう。


アレーネさんも少しは休憩できただろう。

まぁ、アレーネさんの使役する精霊の魔力がある程度回復するまでは戦闘は全部引受けるのでアレーネさんが魔力をどんどん消費して魔力が枯渇するってこともないだろう。


俺もレベル上げしたいから丁度いい。


そう言えば、このダンジョンって初心者ダンジョンって言われるほど簡単なダンジョンなんだよね?


(そうですが、突然どうしたんですか?)


ってことはさ。普通にこのダンジョンの最下層までの道のりは既にわかってるはずだよね?


(そうでしょうね。実際、ここを含めて初級ダンジョンと言われている場所はほとんど、ダンジョンボスの初討伐が終わっているダンジョン。言わゆる攻略済みのダンジョンです)


だよね〜。じゃあさ、冒険者ギルドで地図とか買えたんじゃないの?


(あっ…でも、魔物と戦闘をしてレベル上げをする事が目的ですし。適当に進んで魔物を倒して次の階層に進める魔法陣が見つかればラッキーぐらいでイインジャナイデスカ?)


あっって言っちゃってるし……

ほんとに人間と変わらないよね魔導知能。

地球に存在する人工知能とは完全に別物だよ。


(このタイミングで言われると率直に喜びずらいです)


まぁいいや、俺だって気づいて無かったし。

今日は適当に進めるところまで、進もう。


その後、いくつもの大部屋の中に入るけど。

ポップする魔物はGランクモンスターのゴブリンとコボルトばかり。

ケーブスパイダーと言うFランクモンスターも一度だけポップしたけど。ゴブリンとコボルト以外の魔物がポップしたのはその一回だけだ。


因みにケーブスパイダーのドロップはケーブスパイダーの足だった。


と言うか、かにの足みたいに茹でて食べると美味しいってなに?

昆虫食はもう懲り懲りだ。


人が食べるように育てられた姿そのままの乾燥コオロギを食べたことはあるけど。

食感が好きじゃなかった。後、羽が喉に張り付くところも嫌。

味に関しては別に不味くなかったけど。


因みにその乾燥子コオロギを持ってきたやつは、乾燥オケラもバリバリ食べていた。

あいつ、イケメンなのにそんなことをやらかしたせいで、女子から嫌われてたな。

本人は全く気にしてなかったけど。

そう言えば、アイツもこの世界に転移してきてるんだよね?

クラスメイトだし、そのはずだ。

ケーブスパイダーの足はあいつのお土産用にとっておくことにしよう。


カードの状態のままなら、腐ることは無いし。


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読んで頂きありがとうございます。


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