第21話
「なんで死体が!勝吾さん私が寝ている間にに何があったんですか!?」
あの後、空間拡張特化で効果を付与した巾着袋を制作して、分体に託して後はずっとボーッとしていた。
下っ端でも賞金首なら、ボスだって賞金首だろうと、死体を持ってきたのはビックリしたけど。
まぁ、確かに。賞金は期待できそうだよねと思い直して、明るくなったら馬車に投げこもうと思って、そこら辺にほっぽっといたけど。
アレーネさんを驚かせてしまったようだ。
当然だよね。起きたら近くに死体が転がってるんだもん。
「大爆発とアジトの崩落にも耐えたみたいで、後を追ってきたから返り討ちにいといた。賞金首だろうし。処理せず取っておいたんです」
「そうだったんですね……取り敢えず。見張りの生首と一緒に馬車の中に突っ込んでおきましょう。本当は塩漬けにでもしておきたいんですけど。何も無いですからね」
せっかく馬車があるのに、中に生首と死体が転がっているから中に入る気にはならない。
「そうそう、死体だけじゃなくて、アジト跡から金属のインゴットも拾ってきましたよ」
金属のインゴットが詰まってる巾着袋も馬車にのせる。
かなり重くて、身体強化しないと持ち上げられない。
アダマンタイトも手に入ったからね。
アダマンタイトは魔力との相性は最悪で、気力と言う別の力との相性がいい金属らしい。
ミスリルとの違いは相性がいいのが魔力か気力かだけで、他は全て同じらしい。
気力と言うのは主に獣人達が使える力で身体強化など近接戦の強化特化で、気力を消費して魔法を使うことは出来ない。
気力を使って遠距離攻撃ができない訳では無いけど。気力を使って遠距離攻撃できるのは余程の達人じゃないと無理らしい。
その分、魔力で身体強化するより気力を使った身体強化の方が強化倍率が高い。
もし、獣人と戦うことがあれば、接近させるとかなりフリになるという訳だ。
しっかり覚えておこう。
この世界ではミスリルと同レベル希少金属であるアダマンタイトを手に入れた訳だけど。
魔力との相性が最悪なアダマンタイトを自分で使うことはないので、何処かで売っぱらってしまおうと思ってる。
アダマンタイト以外にも金インゴットとか
緑鉄とか言う、魔力を吸収して自動修復する武器を作れるファンタジー金属も手に入った。
緑鉄は自分で使おうかなって思ってるけど。
アダマンタイトと金インゴット、盗賊にかけられてた賞金これを入れればかなりのお金を手に入れられるんじゃないかな。
アレーネさんに輸送費を払う事もできるだろう。
「アダマンタイトが手に入ったこともすごいと思いますけど。全くおなじ見た目のマジックバッグを2つ。しかも私が寝る前には持っていませんでしたよね?」
マジックバッグの中にマジックバッグを入れることは出来ないらしいからな。
俺が作ったものは出来るけど。
と言うか時間経過を弄らないマジックバッグなら生きてる状態の生き物を仕舞うことだってできる。
似たような効果でも全くの別物って事だな。
俺の作ったマジックバッグなら人が入る容量さえ確保すれば、誘拐に使うことだって出来ちゃうわけだ。
密入国するのも簡単だし。
地球にいる時は何度かそうやって、俺の事を狙う連中を攫ってやった。
(中に入っている時はどんな感じなんですか?)
上下左右真っ白な壁に囲まれてる謎の空間に連れてかれる。
中に別のものが入っているなら、その空間で自由に触れる。食べ物だったら食べたりもできる。
空間拡張でどれだけ広げているかによって動ける範囲は変わるけど。
なんだったら部屋として使える。
逆にギリギリだと拘束されてないのに一歩も動けないみたいな状態になるけど。
(なんと言うかなんでもありですね?)
確かに、マジックバッグにマジックバッグを入れたらお互いが干渉して壊れるとか。
マジックバッグには生き物は入れられないってのが普通だもんね。それに比べると確かになんでもありって感じはするけど。
使えるんだから仕方ないじゃん。
(まぁ、そうなんですけど。それ以前にエルフにマジックバッグを作れることバレてますけど、どうします?)
バレるきっかけ作ったの魔導知能だけどね。
まぁ、口止めしとけばなんとかなるだろう。
とりあえず。
瓜二つのマジックバッグをふたつも持っていると、今回みたいにバレると思うので、緑鉄以外をマジックバッグから馬車に出して、マジックバッグをマジックバッグに仕舞う。
「内緒ですよ?アレーネさん」
「分かってますよ。命の恩人ですし。マジックバッグを作れる人がいるなんて言っても信じて貰えないでしょうし」
まぁ、バラされても問題ないぐらい強くなる予定だから問題ないけど。
「お願いしますね?」
それから数日かけてグラフェンに到着した。
積荷が増えたせいで、時間がかかっちゃったけど。
まぁ、お金になるし問題ない。
問題は、あっさりグラフェンの中に入れるかだけど……
絶対騒ぎになると思うんだよね。
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