旅に栖む
chatora
第1話~エピローグ~『つかれている日々』
時々、こうして旅をするのはつかれているからなのかもしれない。
システム化された社会の中でそれなりの役割をこなして過ごしてゆく日々は、それほど悪いものではないと思う。
より良いものを求めて進化し続ける社会は眩しく、そして美しい。その歯車の一つでいられることはむしろ人として誇らしく思うが、それでも完璧なものなどはあり得ない。
所属したそのシステムが本当に正しいかどうかなんて常に揺らぎ続ける命題だと思う。
良いこともあれば悪いこともある。
そんな理不尽にも納得のゆくようにシステムを改善する仕組みは用意されていたりもするが、やはり完璧なものではない。
美しい机上の空論。それを目指して進化し続ける人間社会。
そんな場所から無性に逃げたくなる時がある。
綺麗事ばかりでは成り立たないのが現実であり、その歪には取り残された何かが潜んでいる。どんなに無視しようともその何かは確かに存在していた。
僕は、そのことから目を逸らして忙殺しようとすることで、疲れて果てて行くのです。
そう、その何かに憑かれているかのように…
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