第13話 悪い子にはお仕置きしないとだよな?


 大変遅くなりました😰!なにせ、第1志望の高校に合格したのはいいものの、週ごとの課題に追われる日々で、テストもやっと終わり、少しずつ返されています。正直いって、赤点スレスレの教科がいくつかありますwまあ、頑張ります

 

 ところで、本当に半年ぶりの更新になってしまいましたが、フォロワーの皆様がフォローを解除しないでいてくださって、嬉しい限りです。むしろ、最近では少しずつ星も増えてきたので、びっくりです。

 この話では、メインヒロインの陽菜は出てきません。(最後にちょびっとだけ出るかもしれませんが)

 

 とにかく、ありがとうございます!そして、今回は短いですがお楽しみください!


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バシッ!


「「………」」


バシッッ!


 竹刀を叩きつける音が、木の床に心地よく響き渡る。最も、この場の空気は全然心地よくは無いが。


「「ぇと……………」」


バシッッ!!


「「これには、訳がありま……」」

 

「あ?」


と、俺はキレているヤンキーのような返しをする。とはいえ、ヤンキーだったらこんな感じで返すのだろうかという勝手な想像でしただけなので、本物は知らん。


「なにか申し開きがあるのか?なあ、同級生の女子を人脈を使って脅した遥輝クンとその孫が可愛くて仕方ない爺さんよ?」


「お、脅したなんて人聞きの悪い。俺は、拓人のためを思ってしたんだぜ?逆に感謝して欲し………」


「今、この場でお前に弁明する権利は無きに等しいと思え。」


「はい!すみません!」


「それにしても、お前、わざとだろ?もっと穏便な済まし方あっただろ?てか、よくあんな手で上手くいくと思ったな。俺は知った後も信じられなかったが。」


「そこはホラ、あれだよ。俺の滲み出るイケメンパワーを使って……」


「何言ってんだ。お前の交友関係から、俺が疑われたらどうするんだよ」


「そこはまた、じいちゃんの元弟子たちを使ってさ?」


バシッ!


今度は床じゃないぞ。遥輝の頭だ。意外といい音が鳴って少し驚きだ。


「はい。まずはその考えからやめろ。」


「痛っ!!本気で叩いてねぇだろうが、いてぇな。」


「うるさい。自業自得だ。それと、お前って意外と短絡的だよな。昔から」


「ヤダな〜それもこれも、親友のためだっていうことだよ」


そう言って、遥輝は道場の床に正座した状態で、合掌しながら、くねくねし始める。


キモッ


クネクネする動きはイケメンがやっても、ある程度キモイな。


「そういう、なにか、バレたくないことがあった時に変な動きをして誤魔化すところも変わってないな。」


「伊達に親友を長年やってないからな」


「ハイハイ……それで?爺さんの方は?」


俺がそう声をかけ、ビクッと反応したのは、遥輝の父方の祖父にあたる、寺門義勝(てらかどよしかつ)。つい3年前まで、この剣道道場の師範代をしていた。顔は強面だが、中身は、大の孫好きな年寄りだ。変な話なのだが、孫の遥輝の親友である俺にも同じような態度で接してくるのだ。小学生のころは、俺も力はまだ弱く、抵抗できないのをいいことにの限り抱きついてきて、頬をすり合わせによくきていた。ヒゲが硬かったため、今でも鮮明に思い出せるほど、痛かった。


「いや………ワシも、さほど言いたいことは遥輝と変わらん。ていうか、口答えしても結果は変わらんのが目に見えておる。」


「さすが、ろくに長生きしてるだけあって、諦めが早いな。もし遥輝と同じようにみっともなく口答えするようだったら、3回は爺さんの頭叩く気だったよ」


「なんで遥輝の方が叩かれる回数が多いんじゃ?ワシ、見ての通り老いぼれなんじゃが」


「孫の遥輝の責任は爺さんの責任だからな。」


………もし俺が叩こうとしていたなら、すぐ避けていただろうに


爺さんと遥輝の父親には俺も遥輝もまだ剣道の腕でまだ敵わないからな


「はあ……まあいい。次したら。遥輝は頭を竹刀で全力ノックされる×100の刑だぞ」


「さすがに石に頭ぶつけて泣かなかった俺でも、ちょっとそれは死んじゃうかもしれない」


「知るか」


「あぁ、神よ、何故俺の親友の遥輝はこんなドSになってしまったのだろうか。、教えてくれたもう!」


「黙れ、俺がドSなら、お前らはドMのたぐいだろうが。」


「たしかに。俺とアイツも、中学のときそんなことを毎日してたもんな。」


「あぁ、まあな……爺さん、何こっち見てんるだよ?」


「いや、老いぼれのワシが知らん"ドS"やら"ドM"やら、しらん言葉を話してると思ってな」


「あぁ、別に知らなくてもいいぞ。知っててもそんなに必要ないしな」


「そうなのか」


「そうだよ。じいちゃん」


「2人とも」


「「?まだなにかあるのか?」」


「いや、今日のところはこれでおしまいだ。次からすんなよ〜」


「ハイハイ、分かりましたよ」


「返事ははいを1回だけでいい」


「お決まりの言葉を返すなよ、めんどい」


「うるせ。めんどい性格してるのはお前らの方だろ……………まあ、その、なんだ」


「「?」」


「言わなくてもいい気がするが、………ありがとな」


「………やっぱお前、ツンデレだよな!」


「だぁもう、うるせーーーーーー!!!!離れろーー!!!」


道場いっぱいに俺たちの声が響き渡った。


「………平和じゃのう………」


そんな言葉と共に。






同時刻。



「今日はお母さん遅くなるから、夕飯は全部自分で作らないと。今日の特売は何かな?」


そう言いながら、自宅から1番近いスーパーマーケットに向かう。とは言えど、ずっと同じようなセリフを繰り返し呟いている。

 なぜなら、そうでもしないと、成り行きで彼氏になってしまった同級生の男子である桜庭拓人との、デートを思い出してしまうからである。それは、陽菜にとって、想像を覆すまでに。楽しかったからである。それを自覚したのは、母に言われて、鏡で自分の表情を確認したからだが、それ以来、デートの間の、自分の穏やかな気持ちを、思い出しては、また味わいたいと思ってしまうだ。


「(自分が本当に苦手な男子とのデートがあんなに穏やかな気持ちのままでいられるものだって全然思ってなかったな………)」


「(もし、拓人じゃなかったら、違ったのかな?)」


そう考えつくが、直ぐに、


「いやいやいや!私は、お母さんを、捨てた男のことが嫌い!男は全員嫌い!!」


 そう自分に言い聞かせるように、ついには大声で叫んでしまう。

 すると、


「だぁもう、うるせーーーーーー!!!!離れろーー!!!」



「ひゃっ!?すみませんすみません!!……ってあれ?」


どこからか聞こえてきた声に思わず謝ってしまった。今自分が歩いている道には誰もいないが、恥ずかしいものは恥ずかしい。

 反射的に、頬がカアァッと一瞬のうちに赤くなってしまう。


「……あれ?今の声って、拓人?」


そう思ったが、


「いやいや、さすがに違うよね。ハア、こんなに悩むなんてどうかしてるな、最近の私……」


そう悩む春川陽菜の、ある日の午後だった。




________________________



 久しぶりに書いたので、思ったより時間がかかってしまいましたが、やっぱり、執筆は楽しいですね!

 面白い!と感じましたら、ぜひ、本作品のフォローと、星3つ評価をお願いします!星二つ以下であれば、改善点など、レビューもじゃんじゃんください!

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