シン視点  1 ナツと出会って 嫉妬と初体験

 今は無くなってしまったけれど神戸港の近くに大きな遊園地があった。


そこに二人で遊びに行った。


ナツが言った。「ジェットコースターに乗ったとき、怖くない方法があるんよ」


「どんな方法なん?」


「頂上まで行ったら急降下するやん。その前に息を止めるんよ。そしたら怖くないのよ」


「そうなんや。俺も試してみるわ」


でも僕は彼女の言うことを聞くのはやめようと思った。


頂上からの急降下。


 ナツが息を止めた瞬間、僕は「ナツ!こっち見て!」と変顔をして「ブーッ」と噴出させた。


ナツは「キャー!」と大声で叫んだ。


僕はその声を聞いて嬉しかった。


ジェットコースター降りてから、「もう!」って怒っていた。


キャーって声を聞きたかったんだ。 


その怒ったところもかわいいと感じていた。


本当にかわいい女性だった。


その夜、彼女と飲みに出かけた。


ナツは結構飲み、酔いつぶれてしまった。


僕が肩を貸して、ホテルまで連れて帰った。


ベッドに寝かせたときは彼女は完全に眠っていた。


彼女をベッドに寝かせたとき、僕は良からぬことを考えた。


酔って眠る彼女のズボンの中に、そっと手を入れていった。


触れたかった。


すると、彼女が目を覚ましたではないか。


僕は「ごめん、ついつい」と謝った。


何も言われなかったのはまだぼんやりしていたからだろうか。


そのあとまた眠りそうになったので、「ナツ、服を脱がすよ。何もしないからね」


「うーん」


一応返事はしてる。


でももう寝てるみたいや。


下着姿になった彼女は美しかった。


いつか全部脱がしてみたい。


そう思った。


夜中に目が覚めたナツは、自分の姿に驚いたようだった。


 シャワーから帰ってきたときに「気分はどう?」って聞いたらビックリしたって言っていた。 


どうして下着姿になっているのかわからないと。


「一回目を覚ましたんやで。その時に寝そうになったから、服を脱がすねって言ったらふんっつってうなずいてまた寝たんやで」 


「うそっ。ほんまに? 全然覚えてない」


「うそん。ほんまやで」


「うん。でもありがとう。でも恥ずかしいなぁ。酔っぱらってしまって。嫌いになったりしない?」


「俺と一緒に居るときは、酔っぱらっても寝込んでも大丈夫。でも、他の男と一緒に居てこんな状態になるのは、許されへんと思う」


僕の独占欲が、自然と言葉になっていた。


「もうっ!いやらしい」とナツは言うが、その声は嬉しそうだ。


「へへへ。いやらしいねんで」


ベッドにもぐりこんできたナツを、強く抱きしめてキスをした。


「かわいいな、ナツ」そう言いながら、僕は眠りに落ちた。


何度か僕の住む名古屋に来て泊まる事にもそんなに抵抗がなくなってきた頃。


デートの後、駅に向かう途中で、また帰りたくないと言われた。


 前回お泊りの翌朝、駅に送っていく途中でグループ交際みたいなことをして

いると話されたことで僕は、この娘は大丈夫なのかと思っていた。


 でも一応それはダメなことだと釘を刺したし、ナツも相手が好きだとかそんなことは無いと言っていたので今度から気を付けるように言って話を終わらせた。


駅の駐車場に車を停めてホームまで歩いたが一言も話さなかった。


何を言っていいのかわからなかった。 


でもこのまま無言でさよならは尾を引いてしまう。


ナツはさみしそうな泣きそうな顔をしていた。


そんな顔するなよ。


俺も辛いねんからな。


電車が入りますというアナウンスが流れたので僕は周りを見渡した。


幸い人も少ないしこっちを見ている人もいない。


ナツに聞いた。 


「俺の事好き?」って。 


「うん」って言った。


「俺の事好きって言えるの?」って聞いた。


じゃあ言って。


聞かせてほしいと言った。


ナツは、「シンちゃんが好き」ってちゃんと言ってくれた。


その時ナツの目から涙がこぼれ落ちた。


そのタイミングで電車がホームに入って来た。


ナツにキスをした。


ナツは目を閉じることなく僕のキスを受け入れた。


涙がこぼれて驚いた顔をした直後にうれしいようなほほえみをくれた。


ナツに抱きつかれた。


悪いことをしたな。


もっと早くに許してればよかった。


次は無いぞって。 


仲直り出来てよかった。


 ナツはただ一緒にいたいだけなのか、それとも先に進みたいのか、僕にはよく分からなかった。


でも、僕はナツのことが好きで、大切にしたい気持ちもある。


 気持ちがのめり込む前段階だったが、僕の知らないところで前回のようなことがあると辛い。


 だから今回、「帰りたくない」と言われたことで、僕はナツを自分のものにしようと決意した。


 僕は経験がなかったが、あくまで余裕があるように装って、「今日はナツをもらうね」と言った。


ナツは一瞬ドキッとしたようだが、頷いてくれた。


 ヒガシ先輩に色々聞いていたが、いざ自分がその状況になると、すごく緊張するものだと思った。


彼女とデートしてキスをしてお泊りするようになると勃起するようになっていた。


ホテルに一緒にいる間ずっとだ。


その状態でナツを抱きしめたりしていた。


トイレが大変だったことを思い出す。 元気だった。


ナツも何かが当たると思っていたかもしれない。


それまでに、僕はナツの胸に触れていた。


 初めてブラジャーを外す時、どうやって外すのだろうかと考えたが、シュミレーション通りにすぐに外れた。


しばらく、その柔らかな感触を確かめ、乳首の美しさに見惚れていた。


ナツのことが好きだからだろう。


この感触は、僕しか知らないチャームポイントだ。


ナツのことが好きだからだろう。


ナツがバスルームから出てきた。


ナツを抱きしめ、バスタオルを外して床に落とした。


何も身に着けていないナツが、僕にピタッと体を寄せてくる。


この瞬間を思い描いていた。


僕のものになろうとしているナツが、とても愛おしく思えた。


ナツをベッドに寝かせた。


部屋の照明はかなり暗かったがその輪郭はわかる。


わずかな光が肌に反射して美しく光っている。


ナツの体が薄暗がりではっきりとは見えていないけれどとても美しい。


ナツの事が好きだから余計にそう思うのかもしれない。


 お互いに何も身に着けていない状態で抱き合うことが、とても気持ちのいいものだと初めて知った。


キスをしながら、少しずつ下に降りて行った。


色んなところに唇をはわせた。


初めて彼女の秘密の場所を触ってみた。


 そこにたどり着いたとき、ナツは、いつもの彼女らしくない、高い、可愛い声を発した。


触るのは僕が初めてだ。


優しくなでるように触っていると、少しずつナツの吐息が大きくなっていった。


その事で僕も興奮している。


もちろん勃起したままだ。


時折発するナツの声がすごくなまめかしくて色っぽい。


ナツに僕のものを触ってもらった。


恐る恐る触れる感じが気持ちいい。


今まで胸から下は触ったことがなかった。


でもこれは僕にとってもナツにとっても、お互いのものになるための儀式だ。


 おなか辺りでも吸ったり舐めたりしながらおへそを過ぎたあたりでナツの動きが逃げるような感じになっているのがわかる。


そこを目指しているのがわかっているのだろうか。


言っていないけれど僕も初めてなんだ。


草原のあたりに達するとナツは手で大事な部分を隠した。


僕は隠れていないところをついばんだり吸ったりその周辺を遊びまわった。


そしてナツの手を唇と舌を使って除ける作業に入った。


少しづつ手が離れていく。 


僕は時々息を吸い込んでその香りを楽しんだ。


むせ返るような感じもするが、これがナツの匂いなのだろう。


慣れてくるといい匂いだと思える。 


そして舌を這わせた。


中央は避けて周辺から優しく攻めていく。


彼女の蜜があふれているのがわかる。


僕の頬が濡れるからだ。 


感じてくれているみたいだ。


胸だけの時もこんな風に濡れていたのだろうか。


だとしたらもったいなかった。


味わえばよかった。


彼女の吐息や声が僕を痺れさせている。


楽しい。


うれしい。


幸せな気持ちだ。


温かい気持ちになっている。


僕はナツを愛している。 


ナツが愛しい。


僕は谷間に舌を滑らせた。


ナツは今まで聞いたことがない声を出した。


僕はその声に心も体も震えた。


女のそれを初めて味わった。


好きな女の蜜は、おいしいと思った。


いつまでも吸い続けていたい。


そんな気持ちになる。


ナツはなまめかしい声を出し続けている。


僕は夢中になっていた。


でもナツの反応も見ていた。


そして僕は彼女の唇を目指して、上昇を始めた。


唇に到達した時、「ナツ、入るよ」と言った。


ナツは頷いた。


僕はナツにキスをしながら入った。


初めてだったが、苦しそうだったナツを抱きしめ、キスを続けた。


ナツは僕にしがみついている。 


幸せな気持ちだ。


僕は、ナツの為に生まれて来たんだ、と思った。


ナツのためなら、死んでもいいとさえ思った。


ナツが愛おしい。


ずっと一緒にいてほしい。


どれくらい時間がたったのだろう。


ナツの蜜はまだ途切れていないが苦しそうだ。


そろそろやめようと思った。


そして僕はイケなかったがナツから抜き取った。


そしてキスをしてナツを抱きしめた。 


大好きだ。


愛していると言った。 


ナツは頷いてくれた。


僕らはやっと一つになれた。


ナツは僕のものだ。


僕の女だ。


僕はナツのものになった。


ナツだけのものだ。


そして抱き合って眠った。 

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