ナツ視点 1 シンと出会って 大好き
夜九時過ぎ、シンは帰ってきた。
私は寂しさが募り、部屋に入ってきたシンに強く抱きついた。
彼の体温が、私を安心させる。
時間がないので急いで入浴を済ませ、保養所の方が用意してくれた夕食を囲んだ。
そして、今日の出来事を話し合い、二人で一つの布団に入った。
シンと抱き合ってキスをした。
何度も何度もキスをした。
「ナツのこといただきますよ」
「うん。私もシンをいただきますよ」
「うん」
少し恥ずかしかった。
シンが私の下着を脱がせてくれた。
私も彼の下着を脱がせた。
そして抱き合った。
彼の肌のぬくもりが心地いい。
いつまでもこうしていたい。
そして愛し合った。
この時私は初めて彼のものをお口で愛した。
愛おしいと思った。
そして一つになった。
幸せな時間。
翌朝早く目が覚めると彼が私を見つめていた。
なんだか恥ずかしい。
空気が意外と冷えている。
布団の中でシンに抱き着いた。
だからシンのぬくもりがすごく心地よかった。
もう一つに溶け合うくらい体を密着させた。
それだけでも気持ちがいい。
下腹部に、昨夜の余韻を思わせる硬いものが当たっている。
「シンちゃん、また元気になってる」と囁くと、「うん。ナツを、もっと愛したいからね」と彼は応えた。
そしてまた私を抱いてくれた。
このまま時間が止まればいいのに。
保養所を出る準備をしているときに彼に「お針セットもってない?」と聞かれたので「持ってるよ」と答えると「これつけてほしい」と外れたボタンを渡された。
私は彼に見つめられながらボタンを付けた。
シンは「女の子やね。すごくいいシーンだ」と写真を撮った。
すっぴんの素朴なかわいい女の子が写っていた。
その後、東京に向かって出発した。
首都高速に入るといきなり渋滞していた。
ずっと渋滞している。
阪神高速も渋滞するけど所々でこんなにずっと渋滞しているのはすごいなと思った。
東京タワーを見物し、渋谷を歩いてシンとデートした。
「東京ディズニーランドは次やな。行こうな」「はい!」
お昼過ぎに出発し神戸に着いた頃にはもう夜になっていた。
長い長い車の旅だった。
「シン。お疲れ様でした」
シンも私も明日まで休みだ。
「シン。このままもう一晩、一緒に泊まらない?」と提案すると、「そうだな。少し疲れたし、何より、まだナツと離れたくない」と彼は答えた。
「シンちゃん、それがいいよ。私が、めいっぱい癒やしてあげるから」言ってから、自分の顔が熱くなるのを感じた。
そしてシンと何度も結ばれた。
愛し合うって素敵なことだなと思う。
シン。
ずっと一緒にいてほしい。
そして、ありがとう。
翌朝は私のほうが早く目が覚めた。
夜が明け、朝日の中で初めてシンのものを見てみた。
その形に、昨夜これが私と一つになったのかと、改めて驚く。
そして、愛おしさに任せて、そっと口に含んだ。
じんわりと、彼が気持ちよくなっているのが伝わってくる。
シンが目を覚ましたみたいだ。
私のほうを見ている。
シンと目が合った。
恥ずかしい。
恥ずかしいけれど気持ちがいい。
シンがナツのを見たいって言った。
でも私はそれはダメって言った。
私はシンを愛しつづけた。
そしてまたシンと一つになった。
チェックアウトの時間に合わせて準備したもののまたシンに貫かれた。
そのあとは車で私の寮の近くまで行き海でのんびりと過ごした。
ベンチに二人でくっついて座っていた。
とても幸せな時間だった。
お昼ご飯に南京町まで歩いてラーメンとチャーハンを一緒に食べた。
この三日間ずっと彼と一緒だった。
とても充実していた。
このまま一緒にいてもいいくらいに思えた。
もしもシンとこのまま同じ部屋に帰ることが出来たら。
同じ時間にご飯を食べて一緒にお風呂に入って一緒に眠る。
そんな暮らしが私の目の前に広がっている。
シンとずっと一緒にいられたらうれしいのに。
シンはその後、自分の住む街へ帰って行った。
彼の故郷にも何度か行った。
彼の先輩の家に行って私は初めて彼の田舎の友達に会った。
彼の同級生のキューピットさんも来ていたのでお礼を言った。
彼を紹介してくれてありがとうって。
キューピットさんは私に色々と気を使ってくれた。
彼の仲間といろんなゲームをして遊んだ。
とても楽しい時間だった。
この時も帰りは寮まで送ってもらった。
後日、シンから連絡があった。
彼の田舎の先輩が結婚することになったらしい。
驚いたのは、その相手が、私たちを結びつけたキューピットさんの女性だったことだ。
前回の連休で会った時は、そんな話は欠片もなかったのに。
一体、二人の間に何があったのだろうか。
シンに話を聞くと高校生になった時から先輩とキューピットさんは付き合っていたと思うって。
思うってのはそんな風に見えていたけど実際に付き合っているのかどうかは聞いたことがなかったらしい。
でもキューピットさんはその先輩の事を一途に思い続けていたのは間違いないとの事。
そして先に先輩が就職してその一年後にキューピットさんが就職して。
多分時々会っていたんだろう。
そして結ばれてそれで赤ちゃんが出来たとの事。
順番は違うけれどシンはそれでよかったんじゃないかと言っていた。
たんなるきっかけだと思うって。
計画を立てていても狂うことはある。
その狂ったときにどうするかでその二人の覚悟とか絆が見えてくると思う。
「俺は、結婚という道を選んだ二人の覚悟がすごいと思う。好き合って結ばれた結果としての赤ちゃんを、二人で責任を持って育てていくという選択が、何よりも素晴らしい」と、シンは熱く語った。
人によっては失敗したんやって言う人がいるけれどきっかけに過ぎないのだからそういうことを言う方がおかしいと思う。
私もその通りだと思う。
ちなみにシンがいつくらいに赤ちゃんが出来たのかを想像してこれくらいかな、何月何日くらいかなってキューピットさんに言ったら先輩の前でシンはこんなこと言いよるんやって言われて怒られたらしい。笑
以前魂の話の最後に、シンは「俺もナツといつか一緒になりたいと思っている」と、真剣に言った。
「いつかね」と私は答えたが、シンの赤ちゃんを宿したなら、私は迷わず産みたい、と強く思った。
式の前々日に彼と彼の田舎に向かうことにした。
彼の先輩が用意してくれたホテルには式の前日に泊まることになる。
彼は車を走らせている途中もうすぐ海が見えると言った。
そしてその通り海が見えた時とてもきれいな風景で感動した。
私達は道中気になる場所や施設があると立ち寄った。
そして夕方になり彼が予約した旅館の駐車場でちょうどいいタイミングで彼に聞いてもらいたい曲が流れた。
中森明菜の難破船。
彼がじっと耳を傾けているので、何か感想を言ってくれるかと思った。
だが、シンは何も言わず、「行こう」と言って旅館の受付に向かってしまった。
「あれ?何も感じなかったの?」私の今の、少し不安定な心境を知ってほしかったのに、と少し寂しくなった。
一ヶ月ぶりに、その旅館で彼と結ばれた。
まだエッチの経験は両手で数えられるほどしかない。
これから付き合いが続けば、数えきれないほどの夜を共にするのだろうと想像し、私は一人でニヤニヤしてしまう。
その予感に、たまらなく顔が熱くなった。
翌日は水族館に行った。
水族館では、なぜかフグの動きが面白くて目が離せなかった。
いつも胸びれをパタパタさせている様子が滑稽に感じたのだ。
シンは似ている似ていないは別としてよく物まねをする。
私もシンに影響されて物まねをすることがあった。
自信があるのは目玉のおやじだ。
これはめったに披露しないがシンにはうけた。
「おい、鬼太郎」
そしてフグのまねをしてみた。
シンは完全に目を細めてデレデレになり、心底私を可愛いと思っているのが伝わってきた。
彼とならどこに行っても楽しいと感じている。
夕方、シンの先輩が手配してくれたホテルにチェックインすると彼の先輩が訪ねてきた。
「明日頼むで」って。
それだけ言って去って行った。
そして彼と二人でおにぎりをほおばっていると私の友達がやってきた。
その子は新婦の友達でもあり私たちを結び付けた二人いるキューピットの一人だった。
彼とは初対面で和やかな雰囲気で色々話をした。
友達がそろそろ部屋に帰るわって言ったタイミングで彼が、おにぎり持って帰る?って聞いていた。
私はなんでって思ったけど後から彼に聞いたら結構おにぎりに目が行ってたからお腹空いてるんかなと思ったって。
もう無理やり勧めたとのこと。
友達は以前の彼と別れてからわずか三ヶ月で、別の男性と結婚したばかりだった。
別れた直後、彼女は「忘れられない」と泣いていたのに、一体何だったのだろう。
もしかしたらその人に彼と別れてしまってとか相談したのかな?
短期間での急な展開に驚き、人生って本当に「色々ある」ものだと、しみじみ思った。
結婚式当日。
礼服姿のシンは、いつもに増してかっこよく見え、思わず惚れ直した。
「ナツ、すごく可愛いよ」と言われて嬉しかった。
お互いに写真を撮り合ったが、誰かに頼む人がいなかったため、二人揃ってのツーショットは残せなかった。
式が始まった。
新郎新婦が入場する。
その間、彼は何度も私に目線を送ってくれた。
まるで、私だけを見ているみたいに。
純白のドレスの新婦は本当に美しく、いつか私もシンの隣で、皆に祝福されたいと強く願った。
式が終わったあと、夜までに寮に帰り着く予定で彼の車に乗った。
でも途中で渋滞になりこのままだと帰りが夜中になるので途中のホテルで
泊まることになった。
私はまだ式の余韻が残っており、もしも今あなたの花嫁だったら。
そんな想像を膨らませていた。
そんな時に彼とお泊りできることになって気持ちが弾んだ。
ご飯を食べたあとホテルに入った。
「お風呂、入ろうか?」
「うん」
「一緒に入る?」
「うん」
短い言葉が、二人の気持ちの急接近を示していた。
先に浴槽に入ったが、ガラス張りの浴室はやはり恥ずかしい。
幸い、ほとんど明かりは落としてある。
私たちは一緒にお互いの体を洗い合った。
ボディーソープの泡が私と彼を包む。
彼が後ろから抱きかかえるようにして、私の胸を洗い始めた。
ボディーソープの泡が滑らかで、にゅるんとした肌触りに、私は全身の感覚が研ぎ澄まされていくのを感じた。
彼に頭を預け、私はただ、心地よい彼の愛撫に身を任せた。
シャワーで泡を流した後、湯船にお湯を張ってゆっくりとつかっていた。
彼がまた後ろから私のおっぱいを触っている。
私は頭を彼に預けた。
気持ちいい。
彼が浴室から先に出て待っていてくれた。
そしてお姫様抱っこをしてくれたのだ。
私は彼の首に腕を回しキスをした。
ベッドに寝かされて彼が私を愛撫し始めたとき私はとても感じていた。
彼の手が私の体を優しく撫でていた。
胸やお腹や秘密の場所の近くも。
この時も私は背筋がゾクゾクしていた。
体が幸福感で満たされてもう彼のなすがままだった。
彼の唇と舌が私をとろけさせる。
彼が私の中に入ってきた瞬間、これまでにないほどの快感が私を襲った。
その気持ちよさと、シンへの愛情が溢れ出し、私は何度も「シン、好き。大好きよ。好き!」と彼に縋りつくように囁いた。
それは、心の底から出た、初めての愛の告白だったかもしれない。
彼は私に俺も大好きだよって言ってくれた。
何度もキスをして何度も言ってくれた。
私は幸せな気持ちで一杯だった。
私どうなっちゃうのって思っていた。
もしこの時彼に結婚を申し込まれていたら。
きっとOKしていたと思う・・・かも。
いや、やっぱりお金貯めてないと無理かな。
シンと会うようになってからも時々手紙を書いた。
口で言えないことやうれしかったことなどシンに感謝の気持ちで書いていた。
シンも同じように返事をくれた。
私の一番大切な人になった。
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