エクセリクシー・イ・エクフィリズモス

ROY613i

プロローグ ある二人の少女の語らい

《この世界の全ての君達へ》

 ─────この世界は元々、『魔法』と『科学』っていうたった2つの事象で『全て』が成り立っていたんだ。



 ある時、ある場所で、あるカタ達が、あるモノを生み出すまではね。



 その『モノ』はいつしか『モノ』に成っていく可能性を秘めるようになった。



 その過程にはたくさんの『人間』達がいた。



 個人が、国が、種族が、組織が、多種多様な『歴史』を紡いでいっていた。






 ─────始まりはこのとき、ここからだったね。




 王達が集うあの街。



 人間の愚かさが隠れるその地下。



 そして、それらを囲むこの森。




 追手から逃れようと閉室から飛び出した私。



 「どこだ!!」「速く探せ!!」「まだ近くにいるはずだ!!」なんて叫び散らかす愚か者達。



 私は何も考えずに走り続けてた。




 探せるはずもない探しモノを頼まれて森を捜索する未熟な私。



 森の片隅に現れていた探しモノ、森の中心の街で行われていた静かで大きな反乱。



 私は何も気づかずに通り過ぎてた。




 けど、それで終わらなかった。




 私は導かれて落ちた。



 私は導かれて気づいた。




 そして私達は出会った。






 ─────結局のところ、私達がやってきたことっていうのは全部ただのエゴに過ぎないのかもしれない。



 それでも……




 たくさんのことを受け入れてきた。



 たくさんのことに抗ってきた。



 そんな『私達』と、その『人生』を観てほしい、聴いてほしい。



 何時か、何処かにいるこの世界の全ての君達へ。






 ─────今一度問いたい。



 ─────君達の『答え』……











 ──────《退》を。

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