12/14 蟹


 「蟹」という一文字が、頭から離れません。理由は全く分かりません。

 食べたいのか、と訊かれたら、そうかもしれません。ただ、それ以上に、蟹という文字や音、その姿を、想像してしまいます。


 理由の一つは、Twitter上でフォローしている犬のかがやきさんという方のエッセイ風嘘漫画に、よく蟹が出てくるからかもしれません。「エッセイ風嘘漫画って何だ」と思われる方に、局所的な例を出すと、乙一さんの『小生物語』みたいなものです。

 かがやきさんの性格は、非常にアレなんですが、対して、カニ君のキャラはとても純粋で可愛いです。なんでかがやきさんは、このカニ君にそんなにひどいことが出来るのかと思えるくらいです。


 また、かがやきさんが別名義で書いている漫画『とくにある日々』でも、蟹に関するエピソードが一本あります。この漫画は、女子高生二人の風変わりな学校生活のギャグ漫画なんですが、このカニのエピソードはすごくキラキラしていて、妙に胸を打たれます。

 こちらは、単行本に収録されていますので、ぜひ。


 他にも、私が妙に蟹に関する雑学を結構知っているからかもしれません。「蟹」という漢字は、中国で解さんという人が虫みたいな生き物を食べていたことから、「解」と「虫」を合体させた説があるとか、タカアシガニを吹く楽器にしたものがあるとか、クリスマス島は年に一度、森に暮らす蟹が産卵のために海へ向かって島中が真っ赤になるとか、沖縄には縦に歩く蟹がいるとか。その縦に歩く蟹ことミナミコメツキガニは、近くの海で沢山いて、簡単に捕まえることが出来ます。

 あと、思い付くのは、父のエピソードでしょうか。我が家で、もらい物の毛ガニを食べた際、父はその美味しさに感動していて、カニがこんなに旨いものだとは知らなかったと言っていたくらいです。実は、父は子供の頃、カニを食べて父だけがあたったことがあり、それ以来苦手だったそうで。私が冗談交じりに、こういう毛ガニじゃなくて、川にいる蟹を食べたんでしょっていうと、父は真面目な顔で、そうだと頷いた……そんなことがありました。


 一時期、くるりの「琥珀色の街、上海蟹の朝」のMVを見聞きしまくったり、今日もパフィーの「渚に関するエトセトラ」を聴きました。蟹に関する名曲も、結構あります。カニエ・ウエスト……は蟹とは無関係ですが。

 ここまで蟹で連想できると、もはや蟹に取り憑かれているような気がします。蟹を惨たらしく殺した覚えはないのですが。いや、お化けというのは、非常に些細なきっかけで、取り憑くのかもしれません。


 取り憑くで思い出しました。『化物語』シリーズの一番最初に出てきた怪異は、蟹の怪異でした。ラノベだと、『海の底』で大暴れするのは、蟹っぽい生き物です。

 今年、芥川賞と直木賞受賞作に調べる機会があったのですが、その中にも、タイトルに蟹が付く作品が三つもあります。川野多恵子さんの「蟹」、大庭みな子さんの「三匹の蟹」、道尾秀介さんの『月と蟹』です。


 以外にも、文学と蟹の関りは大きいです。小林多喜二の『蟹工船』もありますし。宮沢賢治の『やまなし』で会話しているのは、蟹の子供たちですし。ただ、海外文学で蟹の小説だとあまり見つけられなかったので、蟹が好きなのは日本人の感性なのかもしれません。

 ここまで言うのなら、蟹の小説を書いてみようではないかと思うのですが、中々思いつきません。蟹を食べる、蟹を育てる、蟹になる……うーん、何と言うか、ぴんと来ません。


 蟹について考え続けたら、何か閃くかもしれません。

 その際は、一万文字以内にまとめて、カクヨムコンに出そうと思います。確約は出来ませんが。




 打って変わって、今日の進捗です。

 『白は赤に』を書き進めて、6話の第一場面まで書き終わりました。平日中に書き上げたいというのが目標なので、頑張りたいです。アップの日は未定ですが。


 


 はい。今回はこの辺で。また次回に、ですね。


































  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る