妖 to Apparition
How_to_✕✕✕
プロローグ
しかし、この話をどこからすればいいのか悩む。
この話は荒唐無稽でよく理解のできない話だからだ。
経験したのは僕、そしてこの話のメインである彼女。宮前此方(こなた)。
そしてその他の人物だ。
多分、いつか彼女についての話をしなければいけないのだけど、これから話すことは彼女に関係あるし、関係ない。
だから何処から話せばいいのか悩むんだ。
それはいいとして今回、話すことは単なる僕の日常なんだけどちょっと違う。
あぁ、もしこの話を聞いていて、途中でつまらない。もしくは飽きたというのなら帰ってくれて結構だ。
無理強いをしてまで話すことではないから、それに見知らぬ誰かに自分のことを話すのは恥ずかしいことだし警戒しちゃうだろう。
正直なこと言うと恥ずかしいのだけれど、まぁ、話すことで何かが変わるかも知れないからだ。
とりあえず話す前に水を飲ませてくれないか?
…………。
ありがとう。どうも人前で話そうとすると緊張してしまうから喉が乾く。
上手くは話せないかもしれないが、面白く話そうと思う。
じゃあ、はなそうか。
まず今回のことを話すのに僕のことを知って欲しいから僕自身についてからはなそうと思う。
僕の名前はっていうのはつまらないから止めておこう。
県立明日原高校に通う一年生で……、ってここからベタな話になってしまうのだけれど。
これから話すことが理解できないことだと踏まえて話さなきゃいけないことがある。
一応、僕は人間じゃない。
人間じゃないというとなんだか頭のオツムを疑われそうだけど、本当のことなんだ。
これから話す中で何度か……、いや、しょっちゅう嘘をついているんだけど今、話していることに嘘はない。僕は基本、正直なんだ。
中学三年生の夏休み、僕は天邪鬼に出会った。
天邪鬼。
素直ではなく、人の意見に逆らう人のことをさす言葉をいうけどその天邪鬼ではない。
本物の妖怪である『天邪鬼』だ。
天邪鬼に出会った僕は天邪鬼に体を乗っ取られ、とある事件に巻きこまれた。件は何事もなく解決し、そして最終的な結果、否応なく天邪鬼になった。
言葉遊びで遊んでいるだけなんじゃないか?
悪いけど僕には言葉あそびという評価の仕方なんてわからないし、考える頭がない。
確かにふざけているんじゃないのかと思われるのが当たり前だと思う。
けれど僕は至極まじめに話している。この上なくまじめにね。
話を戻すけどいいかな?
こうして天邪鬼になった僕だけど普段の生活はいつもの通りに過ごせる。
そういつもの通りにね。
ただ支障があるとすれば僕は僕なんだけどたまに僕じゃないときがある。
よくわからない?
う~ん、僕も理解できていない節があるから上手く説明できないけど。
そのせいで他人から雰囲気が変わったと言われるんだ。
まぁ、よくわからないんだけどさ。それともう一つ、言っておかないといけないことがあるんだけど、それは話している最中で話すとするよ。
前フリが長いって?
多分、文章にしたらページ数なんて一ページに満たないんじゃないか。
そういうなら仕方ないさ、今回の件についてだろう。
あ~、まずどこから話すか決めないと…、そうだった。
宮前と出会った、いや宮前と触れ合うところから話すのが時系列的で一番、わかりやすい。
語るのにも聞くのにもそのほうが面白いだろ?
あぁ、何度も言う様だけど話すことについて僕は嘘はついていないからよろしく。
僕は基本、正直者だからね。
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