異世界転移したけど特にやることない。

前方

プロローグ

第零話 終わりに

 異世界決定戦。ファンタジー溢れる世界とどこまでも世知辛く生きにくかったあの世界の間に起こった全世界共同規模の大戦争だ。


 そう、私たちが生きる今には世界が2つ存在する。

 非科学的で夢いっぱいのこの世界と、科学に即した退屈だったあの世界だ。


 だが、今となってはあの退屈も心地良かった。恵まれていたのだ。


 戦争には当然、勝敗が決せられる。


 そして、負けた側の受け続ける仕打ちなんていうのは世界が2つあっただなんて知るよしもなかったあの頃でさえ、分かりきっていたのだ。


 双方が双方の存在を認識した時点でまず起こったのはなんと、どちらが現実で、本当で、基準であるのかという心底下らない対立であった。


 こんな下らない対立であっても、起きたのは紛れもない戦争だったのだ。


 たくさんの人が死に、街が壊され、絶望が降ってきた。


 全世界規模なのだから逃げ場所なんてない。


 魔法やらステータスやらポーションやらに対する対抗策は最後まで見つからず、なすすべなく敗北を喫した。


 そして、私の人生は終わったのだ。


 


 


 

 


 


 

 

 


 

 

 

 


 

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