「ともぐい池」覚え書き

武州人也

覚え書き

・「ともぐい池」というタイトルは人間を同種殺しに追い立てる「共食い」と「友を食う(奏汰が池に落ちることを「池に食われる」と喩えた)」に引っ掛けています。実はタイトルは9割ぐらい本編を書いてから決めました。


・一話で「ツジカゼ(辻風)に飛ばされて来て池に棲みついたサメ」というおとぎ話が語られますが、これは洪水で流されてきたオオメジロザメ(海水に棲むが、淡水にも進出可能なサメ)がゴルフ場の池に棲みついたという、オーストラリアで実際に起こった出来事が元ネタになっています。「ツジカゼで飛ばされてきた」という部分はシャークネードのイメージが入っていますが……シャークネードはいいぞ!


・ヌシの見た目がやたらグロテスクなのは元々「スペースビーストみたいなものが登場する怪獣小説を書きたい」と思っていたからでした(スペースビーストはウルトラマンネクサスという特撮番組に登場する敵対怪獣たちです。おしなべて凶悪な性質をもつ共存不可能な怪獣たちで、見る者が嫌悪感を催すようなデザインをしています)。宮塚さんの企画に向けた怪獣小説が書けなくなったのでそのイメージをこっちに持ってきました。


 ・スペースビーストのイメージが混ざる前のヌシは、「サメとナマズが混じったような見た目の巨大魚」になる予定でした。イメージとしてはカイヤンやパールン、メコンオオナマズみたいな感じでしょうか。彼らも彼らでちょっとモンスターチックな見た目をしています。


・このヌシはかなり悪どい性質をもっていそうですが、それもやはりスペースビーストのイメージから来ています。もしかしたらこのヌシも不思議な力をもつ宇宙生物か何かかもしれない……


・平日の昼間にテレビを見てたらそれが見慣れない番組で……というくだりは、自分が風邪で学校を休んだときに感じたことを思い出して書いています。


・この後彼ら(優里と奏汰)がどうなるのかは特に決めていないのですが、これ以上に悲惨で救いのない末路が待っていそうです。いたいけな少年たちの顔が曇る曇る……うっ辛い。

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