2人のヒーローが紡ぐ道化の物語

海坂味醂

第1話


紅い空に2人の人物が浮かんでいた。1人はダークヒーローと魔王を合わせたような姿の人物でもう1人はヒーローに神を合わせたような姿の人物。

2人は何かを喋り合った後、戦いを始めた。1人が黒いオーラで武器を作り打ち出したらもう1人が白いオーラで防ぎ。1人がオーラの斬撃を飛ばすと1人が盾を作り防ぐ。黒いオーラの人物が攻撃を徹底していたのだったが、攻防を幾度か繰り返した時、転機が訪れた。

 白いオーラを使う人物が白いオーラを爆発的に増加させ始めたのだ。白いオーラを使う人物は白いオーラを徐々に剣を型取り始めた。

 片刃の大剣に形が変わると白いオーラを使う人物はそれを構え自身にもオーラを纏わせた。黒いオーラを使う人物は息を呑み、そして……




 場面は変わり白いオーラを使っていた人物にもたれかかる様に黒いオーラを使っていた人物は亡くなっていた。周りには先程までいなかった人たちで溢れていた、恐らく建物の中に隠れていたのだろう。人々は黒いオーラを使っていた人物の死を喜び、白いオーラを使っていた人物を称賛した。白いオーラを使っていた人物はその称賛にどこか作ったような笑顔で応えていた。しばらくして白いオーラを使っていた人物は人々に断りを入れると腕の中にいた人物と共に転移した。転移した先は荒廃したビル群のような場所だった。リスなどの小動物ばかりが少しいるだけの静かな空間。転移した白いオーラの人物は人々に見せていたような笑顔から喪失感が強い表情になった。それから少しすると、その場に嗚咽が響き始めた。腕の中にいる人物を強く強くまるで存在を確かめる様に抱きしめながら、白いオーラを使っていた人物は泣いていた。……まるで失ってしまった人が大切だったと、そう言わんばかりに。




 そんな夢を見て俺は起きそして、何故か確信を持って

「死んだの俺じゃね?」

そう言った。

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