第9話 A{5,156} 生存策略
――TIMES_A{5,156}――
2024年9月25日(水)15:30
現地に早めに来て様子を伺っておく。
空き家のアパートのようだ。
そして
可能性としては宇佐美が来る可能性もあるんだよね。
とにかく、このチャットの内容を信じるならば、急いでやっつけて、この場から退避した方が良いんだよね。
16:03に時間通りにエグゼキューショナーが沸いた。
エグゼキューショナーが沸くところなんて始めて見た。
途中で攻撃しても良いのかね??
すぐに倒す決意をする。
「いくね!」
掛け声を掛け、気合を入れて突っ込む
私は、沸き途中のエグゼキューショナーに暗器を使い攻撃を仕掛けた。
長袖のふちから剣を出し、刺す。
さらにはカギ爪で攻撃をする。
この爪、やつもクロウっていう爪を使うから、嫌いになりそう。
って戦闘中に何を考えてるね。
さほど苦戦することもなく、エグゼキューショナーを倒す。
相手から何か光の粒子が出てきていつものようにワタシの体の中に入る。
この粒子が、なんか強くなる源か
いろいろ考えたいが、とりあえずこの場から離れる。
戦闘をした場所からだいぶ離れたところまできた。
気になっていたのでステータス画面を確認する。
龍玉が一つ増えていた。
えっ、1つしか増えないの?
確かにさっきのエグゼキューショナーは弱かったし……。
まずい……。
確実に龍玉は減っていく……。
今、龍玉は8個になった。
次に死んだら、多分6日戻って6個減る。残り……2個だ。
来週の水曜また、1個稼いで、また土曜日に死んで、7日戻って7個消費……。
足りない……次の次で足りない。
だめだ、チェックメイトだ……。
いや、金曜日の分があるね。
宮城県だっけ。
倒しに行かないと……。
――TIMES_A{5,156}――
2024年9月27日(金)13:00
宮城県のとある場所に来ている。
あと、15分後にエグゼキューショナーが沸く。
強い相手であって欲しいけど……。
ここも、すぐに倒さないと、他の狩りに来る人がいるってことなのかな。
やはり、敵が目の前に湧くというのは不思議な現象である。
そして場所がはっきりしているし、相手の
そして念の為に完全に具現するのを待った。
もしかしたらなんだけど、エグゼキューショナーにエネルギーが溜まりきって無くて、倒した時の獲得できる龍玉の数が変わってしまうのではと。
「2分。2分で終わらせるですよ」
ワタシは掛け声を掛け、気合を入れて突っ込む。
具現を最後まで待ったが、戦いは2分と掛からなかった。
二日前に倒したエグゼキューショナーより少し強いくらいだった。
今回の敵は俊敏系で、タフネス系ではなく、ワタシの暗記と相性が良かったのもある。
エグゼキューショナーを倒した後、辺りを伺いながら、その場を離れた。
十分に離れてから、ステータス欄を確認する。
龍玉は2個増えていた。
2個しか増えてない……。
一回のループで、使う龍玉の数は増えていく……。
どう考えてもすぐに足りなくなる……。
次のループを
どうしよう……。
それから、藁にも縋る思いで
新しいエグゼキューショナーを探さないといけない。
しかし経験上、そうは見つからない。
今までも、多くて月に2回程度しかエグゼキューショナーを倒してない。
2カ月以上遭遇しないときもあった。
遭遇率はとても低い。
今回だって一匹目はすぐそばだったが、2匹目は宮城県だった。
これはおそらくは、近い場所には連続して湧かないとか、あるのかもしれない。
どっちみち絶望的な話だ。
逃げ道が無い絶望感の中、次の決戦を迎える。
というか、今は勝ち目がないからやり過ごさないと……。
あまり策は無いけど、今までとは逆に人混みに紛れようと思った。
人混みに紛れ込めば流石に襲って来ないと思うんだけど……。
いや、今までも人は周りに居たけど、襲ってきたような。
試してみる他無い。
1秒でも長く生き残るために……。
――TIMES_A{5,156}――
2024年9月27日(土)12:00
決戦時間の少し前……。
人通りの多い、駅前の商店街――ブレードウェイ。
お昼時だから、家族連れやなんやで人が大勢いる。
変身する。
その上で叫びまくりながら、懐から
さらには地面をから大きな剣を出したり、演舞を始める。
「アイヤー!、アイヤー!」
女の子が街中でこんなことをやってたら流石に注目を集めるだろう。
『なんだ、コスプレして、迷惑系の撮影か何かか? というか、SFXかすげぇな』
外野の声が聞こえる。
かなり周りから注目されるかと思ったけど、思ったよりかは人目を集めない。
こんな迷惑行為をしてる人って結構いるのだろうか……。
それでも、それなりの数の人間はこちらを見ていてくれている。
こんだけ注目されていれば流石に襲っては……。
来た。
肉の壁のおかげで、いきなりは攻撃されないけど、接近してきた。
ていうか、向こうも堂々と変身姿を人目に晒しながら近づいてくる。
何も気にしてなく、どうとでもなる表情をしている……。
壁がたくさんあるのに、テレポートしてるかのように近づいてきた。
そして次の瞬間にはワタシの気は、ほとんどなくなっていた。
やはり宇佐美の手にはあの木剣が。
「一回は試さないと、サムの言ってることが正しいか分からないわ」
宇佐美のやつは、何かを試すとか言っている。
人の命をなんだと思ってるんだ……。
そんなことを考えてる間に、もう終わりの時間が来てしまった。
ワタシの
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