第197話・勇者パーティ強化?
夕方になると家の屋敷では、エル達と村の女衆がジョニーさん達の歓迎会の為の料理を作っていた。
現役バリバリの勇者や聖女さんが町や村に来ると、田舎なんかだとみんな歓迎するらしい。
「こっ、これは……」
「欲しい物があればお持ち下さい。ほとんどジョニーさんが見つけた物ですからね」
「ミスリルにアダマンタインに、オッ! オリハルコン!?」
夕食までの間にジョニーさんの仲間に武器や防具でもあげようと、地下の倉庫に置いてある物を運んで来て見せてたけど。女騎士のアイラさんは初めて声を出してくれた。
伯爵様いわく伝説クラスの武器ばっかりみたいだから、驚いてくれたらしい。表情が変わらなかった美人さんが驚いた顔は悪くないね。
「なっ、なんでこのような物があるのですか!!」
「地下の遺跡に潜ったら見つけたんだよ。オレはレーザーサーベルで十分だから使わんしな」
ジョニーさんとかオレ達には宝の持ち腐れだよね。
すでに解析済みだから、同じレベルの武器は生産できるらしい。希少金属とか希少な魔物の素材を使ってるので、量産は無理だけど。
「私ごときが使えません! 勇者様と間違われます!」
「別に気にしなくていいのでは?」
「そういう問題ではありません!」
「じゃあ、どうしよっか。レーザーサーベルにします?」
「あれは斬れ味はいいのですが、私は普通の刀身がある剣の方が……」
「ジュリア殿が使っておるような剣ならば、いいのではないかの?」
「ああ、なるほど」
もう解析も済んだ物だし、世の中の役に立つならばあげるんだけど。アイラさん意外に細かいこときにするのね。
ゲームなら序盤とか中盤で、いい武器が手に入れば喜ぶのに。
どうしようかなと迷っていたら、伯爵様の助言でジュリアが使ってるネタ武器がいいのではとなった。
確かに斬れ味はいいし、レーザーを使わなくても剣として使えるんだよね。あれ。
「これ世界樹と精霊石の杖ね。本当に借りていいの?」
「どうぞ。お持ち下さい。オレ達は魔法使えませんから」
「うちの里の宝物より凄い杖だわ」
一方エルフのキアラさんは、割と遠慮なく武器や防具を見て選んでくれてる。世のため人のために戦ってくれるんだから、援助は惜しまないよ。
「防具は防護服と携帯用バリアの方がいいかな」
「そうね。作れるんでしょ? 彼女達の装備と同じデザインにしてくれる?」
「ええ。いいですよ」
あと聖女さんと女騎士さんにエルフさんの防具は、防護服を新調することにした。
さっきここ最近の戦いを聞いていたけど、防御は防護服より弱いから大変だったみたいだしさ。
死神さんのリクエストにより、オレやエルが着るようなネタ装備と同じ要領で、彼女達の今の服や防具を真似て作ることにする。
こっちの世界のマジックアイテムの技術もだいぶ習得したから、彼女達の防具の特殊効果はそのまま再現出来るだろう。
「あの、費用の方は大丈夫なのですか?」
「そっちは大丈夫ですよ。ジョニーさんお金持ちですから。国の一つや二つなら買える資産があります」
「買わねえよ」
最後に意外にも常識人っぽい聖女さんが、申し訳無さげにお金の話をするけど。ジョニーさんってお世辞にもお金持ちに見えないのに、財宝とか見つけたからお金持ちなんだよね。
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