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事件の概要は第一審における里香さんの
※彼女の要望に
彼女は検察官の質問に答えた。
「――『シェアリング』という、世界中に支社を持つ動画配信サービス企業が制作する恋愛リアリティショーの日本版の出演者のオーディションを事務所から
内容は私くらいの
当時はチャンスが欲しくて色んなオーディションを受けていた時期だったので合格した時は
質問は他の五人の人となりに
「――女子メンバーは私とさやかちゃん、
優利奈ちゃんとは同じ事務所だったのでもともと
そのさやかちゃんと勇輝くんも元々仲が良く、その繋がりをきっかけにバスの中で男の子たちが混じってきて、自然に自己紹介が始まりました。雅人くんはバイトでダンスインストラクターをしているそうで、向こうに着いたら連続バク転を見せてあげると言っていました。亮くんは水泳が得意で、中学のとき県大会で優勝したこともあったそうです」
次に事件当日の動きが語られた。
「夜、石垣島空港に着くと現地のホテルで一泊して、翌朝港まで行き、チャーターした海上タクシーで現地に向かうという日程でした。そこまでに一時間半ほどかかりましたが、だんだん見えてきた島の景色と豪華なコテージに私も皆も感動して、疲れも忘れるほどでした。しかもコテージは番組のためにわざわざ作られたものだと聞いて驚いた記憶があります」
彼女たちが上陸する際、ちょっとした事件が起きたそうだ。
「コテージに行く途中、スマホでちょっと景色を
その通りにしましたが、気になって振り返ってみるとその人がADさんに対してすごく怒っているのが見えました。何であそこまで怒るんだろうと不思議に思ったのを憶えています」
その後、六人はプロモーション映像を撮影するということで集められたが、形式的なものに過ぎなかった。犯人たちはただ夜が来るのを待っていた。
「水着に着替えて砂浜で遊んでいればいいと言われたのでそうしました。その様子をさっきのディレクターの人がカメラを構えて撮っていたのですが、私たちばかり撮っていると感じました。よくあることなので気にしませんでしたけど……」
証言はついに事件の
「夕方からバーベキューをして、夜八時ごろにそれが終わるとリビングで打ち合わせをする予定でした。
皆が集まって少し
私たちがざわつきだすとスタッフさんが『すぐ直るから動かないで』と言ってくれて停電だと分かったので安心しました。
実際にすぐ明るくなりましたが、さっきまでスタッフさんたちがいたところにマスクを
でも立ち位置が変わってないのと、カメラを持ったままの人もいたのですぐスタッフさんたちだと分かりました。でもわけがわからない状況なので
何かのイタズラなのかなと思っていると突然男の一人が拳銃を取り出してこちらに向けてきてあっという間にパニックが起こりました。窓が全部開いていたので、
そしたらまたコテージの明かりが消されたので、一気に方向感覚を失いました。手ぶらで、
――他の皆のことは考えられませんでした」
前述のように彼女以外の五人は全員死亡している。それぞれ死因こそばらばらだが、
私はその一部始終を見た。
全てはカメラの前で起こったからだ。
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