第34話 擦って磨いて

  2022年の開拓の続きと、あとせっかくここがカクヨムさんなのだから、少しだけ執筆についても触れておこうと思う。



 まず執筆に関しては、もう完全に迷走してしまった感がある。

 電撃さん四次選考という過程は私自身の作風を迷子にさせて、次作は聖地モチーフ系を避けてもっと新しい作風にするべきか、長編であれこれ試してみるも、結果としてやはりダメであった。


 作者が楽しくなければ、読者も楽しい訳が無い。

 それはコメディでもシリアスでも同様に。


『あのすき』の聖地モチーフ系が評価されてから――もちろん作品の設定やギミックを評価されたのだろうが――作風で迷走すること長編で三作品(その間の作品はカクヨムさんでは発表できないレベルだと個人的には感じている)。

 原点回帰としての聖地モチーフ系に挑んだ『岩魚ヶ姫』を仕上げた時は、自分の中では一応の達成感を得られた。

『やっぱし、しっくり来た』というのが素直な気持ちだ。

 私にはこれが向いているのだろう。



 短編ではカクヨムさんの自主企画にお邪魔して、そこそこのご評価をいただく事もあったが、ある意味、自主企画というのは相互読み合いで応援し合うことでもある。

 一時的にご声援を頂くのは、上記の自主企画という特性において、かりそめの人気に過ぎない。

「小説投稿サイトを舐めてるのか」と言われそうだが、むしろこういう義理の返礼に疲れてしまったのが正直なところ。


 逆に『おやきエッセイ』に関しては、作者の手を離れたところでバズってしまった感があるので、別にこれが私の代表作だとは思わないし、以降もエッセイ系自主企画に参加させる計画も無い。

 代表作を自分でイジれる仕様にはなったが、敢えてイジらず、いつかこれを超える作品を書いて、自力で私の代表作を塗り替えたいというのが本音。

 

 でもまぁ、私の執筆に対して「情景描写が上手い」「純文寄りだ」とお褒めいただけたのは、ホント素直に嬉しかったよ。

 ここ二十年はラノベも小説も読まず、学生時代に親しんだ作品の記憶を頼りに、見よう見まねでアウトプットしているだけなのに。

 日々ビジネス文書を綴る会社員のおっさんが、日本語力を試すために始めた執筆なのだが、一定の鍛錬効果があった訳だからサラリーマン生活も侮れないね。



 

 では村の開拓へと話を戻そう。


 不動産屋や建設コンサルタント、デベロッパーの登場でメトロポリスになった邑楽村は非常に活況となった。

 銀行とショッピングモールは何軒建ったかわからない。

 大麦畑や米畑、畜舎だけで細々とやっていた自給自足のあの頃が懐かしくもある。


 

 2022年5月の取引は、まずこちらの二銘柄。


 ファースト住建<8917>。


 旧飯田建設の加古川支店がのれん分けという形で独立――ということだが、兵庫県にある飯田建設さんとは無関係な感じはある。

 他に飯田建設で検索すると出てくるのは長野県下伊那郡の会社だ。

 あとは福岡を拠点に、サンコーホールディングス傘下に入った飯田建設もある。


 戸建て分譲住宅の飯田産業を主要子会社に据える、飯田グループホールディングス<3291>さんの事かとも思ったが、この辺りの繋がりを調べきれなかった。


 ファー住さんの優待は一年以上保有していれば、百株で500円分のクオカード。

 3百株なら手延べそうめん。

 たとえ500円でも立派な優待銘柄である。

 むしろ優待が少額なら配当に期待ができるというもの。


 ファー住さんは決算期が4月10月と変則的である。

 いわゆる3月9月決算や飲食小売に多いニッパチではなく、他の月の配当をもっと多くしようと狙ったものだ。



 お次は、東武住販<3297>。


 東武と言っても関東、武蔵野の国ではない。

 山口県、福岡県を地盤に中古住宅の再生販売をしている会社。

 まさに村づくりと同じ、古民家再生だ。

 期せずして建築系の会社を連続で選んだ。


 東武さん……って書くと、関東の人には民鉄大手の東武鉄道<9001>のイメージが強いだろうし、私も混乱する。

 とりあえずここでは、ファー住さんに倣って、東住さんとしよう。


 東住さんは5月決算で配当金は年イチ。

 こちらも他の月の配当金も厚めにしようと狙った銘柄。


 優待は山口県の特産品でもある、ふく(フグ)関連食品。

 久しぶりに選べるギフトや金券類、買い物券などではなく、食品を貰えるこちらを選んだ。

 これはティッシュなどの自社商品が貰える日本製紙さん以来かもしれない。

 ビールを貰えるサッポロさんを含めても3社目だ。

 お茶漬けの素やフグ雑炊の素は、飲み会の後や鍋の締めで活用させて頂いている。



 次は6月の取引。

 第四北越フィナンシャルグループ<7327>。


 こちらは新潟県地盤の地銀で、第四銀行と北越銀行が合併してそのまま第四北越さんになった。

 第四北越さんを選んだのはただひとつ。聖地モチーフ系だから。

 それは糸魚川市で出会った、諏訪大社の祭神タケミナカタ神の母神ヌナカワ姫の正体やルーツを辿る調査を続けるうちに、長編『越の翠華』で……えぇ、2024年12月現在まだエタってます。たぶんそのうち書きますので。

 

 優待はもちろん新潟県特産品カタログギフト。

 第四北越さんは2024年10月に1:2の株式分割を行ったので、優待の額面は保有株数に応じて分かれる。

 私は分割前から保有していたので、2,500円相当のものを頂戴している。


 そんで新潟と言えばコシヒカリに代表される米どころだもんねぇ。

 魚沼のコシヒカリ、本当に美味いよね。

 カタログギフト界隈でも、やっぱ新潟米は人気だし強いわ。



 9月にはこちらの二銘柄を招いた。

 まず、AOKIホールディングス<8214>。


 ご存知、紳士服大手のアオキさん。

 最近は複合型ネットカフェ『快活クラブ』も好調だ。


 アオキさんはよくセールでスーツ半額などのクーポンを送ってくれる。

 それ自体は大変ありがたいのだが、やっぱしスーツって高単価だ。

 フレッシャーズでもないおっさんが、若者向けの比較的お手頃なものを着用していてはみっともない。

 それなりのものは着た時のシルエットが違うし、生地の触り感や着心地も違う。

 それに似合うために体形もおっさん特有のでっぷり腹にならぬよう維持しないと、と常日頃から感じてしまう。


 こちらの優待は半年ごとに5枚ずつ、AOKIの店内商品が20%オフ、快活クラブでも利用料が20%オフと、異なる業態のクーポンをそれぞれにくれる。

 なので店員さんに素直に聞いてみたんだ。

邑楽「半額クーポンでも株主優待券って併用できるんですか?」

店員「裾補正やお直し代には使えませんが、併用できますよ」



 私はすぐにアオキさんの株を購入した。

 希望小売価格が8万円ちかいツーパンツの上下スーツ商品でも、半額セールに株主優待券を併用すれば実質60%オフで買い物ができる。

 4万円でおつりが来る、これは中々にインパクトがある優待であった。


 dポイントかPontaも貯められるが、同店独自のAOKI会員ポイントならば、総額10万円以上の買い物をすればダイヤモンド会員となり、ポイントが5%貯まる。

 これはネクタイやワイシャツ、ベルトやバッグ等の小物類でも貯められるしポイントは1円相当として使えるので、まだまだFIREには遠いなって渋々会社員をやっている同士諸君はすぐ紳士服業界の株を購入するのだ。

 

 同系列の会社としてコナカ<7494>さんは2万円台で購入できて、こちらも20%オフ券が半年に3枚貰える。復配も始めて利回りも4%となっている。

 業界首位の青山商事<8219>さんも同様に20%オフ券が3枚。

 こちらは増配が顕著であり現在の利回りなら5%近い。

 もちろんアオキさんだって、コロナ後の業績は急回復して利回り4%超えである。


 コナカさんも自社ポイント以外に、楽天ポイントとdポイントが選べる。

 業界首位の青山さんはさすがで、自社のAOYAMAポイントに加え、Vポイントとdポイントが3つ同時に貯まる。

 アオキさんもそれに対抗して、一時期はAOKIポイントにPontaとdポイント全部同時に貯められたんだよね。

 またやって欲しいけど、ポイントコストが経営に影響を及ぼすなら、株主としては無闇にお願いはできない。

 今後とも快活クラブとの両輪経営の安定さを期待している。



 さて、最後の銘柄をご紹介して2022年の開拓日誌は終わりにしよう。


 群馬銀行<8334>。


 第四北越さんに続く聖地モチーフ系の地銀シリーズ第三弾。

 もう説明は不要であろう。


 電撃大賞で四次選考が素直に嬉しかったんだよ!

 このネタ擦り続けて悪いか!

 アマチュアだけど物書きだぞ!

 TOEICや漢検や簿記や、珠算だって立派な肩書じゃないか!



 ちなみに優待を貰うには千株から。

 地元特産品のカタログギフト2,500円相当で、保有株数に応じて増えていく。


 ビックリしたのは今や株価は1,067円(2024年12月27日現在)。

 あと2年執筆が遅かったら、私は群馬を聖地認定できなかったかもしれない。

 それには106万円が必要だと言われたら、涙を飲んで諦めるか、意地でも買うか。

 購入時価は432円、1.5バガー(2.5倍)になっている。


 保有し続けていれば地元特産品を貰えるから、地元の応援も出来る。

 つまりニッポンの応援が出来る。

 地銀シリーズはこの感覚で聖地を増やしていくのが楽しい。



 

――などと、この年も凄い買い増してる印象があるが、純増は5銘柄だった。

 優待が廃止されて売却したところもある。

 それ以外の推し銘柄(クリレスさん、リコーリースさん、マミーマートさん等)を次の優待水準まで買い増ししたり、菱洋エレクトロ登山企画も並行していたせいだ。

 純粋な村の拡大という意味では少し開拓ペースを落として、現在保有の珠玉の銘柄たちをさらに磨き上げるために注力したのがこの年なのだろう。


 

 2022年末のシム総人口は298,982人にとどまった。

 う~ん、やっぱり遠いメガロポリス。

 いつまでメトロポリスのBGMを聴き続けなければならないんだ。



 ってな感じで、次回が年内最後の更新です。

 2024年大納会でお会いしましょう。

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