第83話 襲い来る脅威
「う、うああああああああああああああああああ!」
うつろな目をした男たちが、奇声をあげて、襲いかかってきた。
素手で、緩慢な動きだったが、5人も6人もいては対応に困る。
せめて鉄パイプで武装してくれたら正当防衛の言い訳が使えるんだが……
「来い、【
なんにせよ、多勢に無勢だ。
丸腰相手に申し訳ないと思いつつ、俺は魔法能力で刀を呼んだ。
学園でもない公の場所で、他人を斬り殺すわけにはいかない。
一般人を相手に血の雨を降らせたら、それこそ警察沙汰で退学処分だ。
俺の望まない“手”は、彼らを斬り殺したくてうずうずしていたが……
「今はみねうちで我慢しろ。鉄の棒で殴るんだ。死ぬほど痛いぞ」
自分の“手”に強く言い聞かせて、俺は【
刃ではない、鈍器の使い方で、襲ってくる男たちを片っ端から殴り倒す。
これでも十分に暴力沙汰だと思うが、血の雨が降らないだけ健全だろう。
「とんでもないアトラクションだな……」
全員を地に叩き伏せたところで、俺はつかれて、ため息をついた。
乱闘の決着を見計らったかのように、園内に、アナウンスがひびきわたる。
「オメデトウ!
これが誰の趣味で、誰の趣向なのかを考えて、俺は頭が痛くなった。
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