たそがれ荘はとしのせにつき、 #アドベントカレンダー2022
かこ
1201 三津さんは企む 01
気が付けば年が明けていた、とまではボケてはないけれど。今日から師走。あっという間に時間が過ぎていくのは、火を見るよりも明らかや。
「おはようございます」
「おはよう、
背中越しに聞こえた聞き取りづらい声に、きちんと返した。出席確認みたいなもんやから、ちゃあんと名前を呼ぶことをルールにしとる。まぁ、誰にも言ったことはないんやけど。
「手伝いましょうか?」
ぼそぼそと申し出る慎ましさに笑みがこぼれてもうた。この日課は、
管理人という立場やけど、姉のような気持ちにもなるというもんや。
「あと、味噌汁だけやからええよ。座っとき」
断りをいれてる内に続々と住人達が食堂に下りてきた。妖付きに、呪い持ち、神様のお手付きなどなど。訳あり、こぶつきの人ならざる困ったさんばっかりや。
それぞれの名前を呼んで挨拶を交わす。住人が全員、席についた。今日も元気そうで何より。
蕪ととろろの味噌汁を並べて、各々のペースで箸を進める。
「みっちゃあん、今年の年末はどうなるのぉ?」
年の瀬のお決まりの言葉に、待ってましたとばかりに、したり顔で応じる。
「今年はな、クリスマスパーティーをしようと思うんよ」
一同の目が私に集まった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます