第10話

「守さん!」


「ん?なに?」


「トイレ…どこですか?」


「あぁ、案内しようか」


優くんは好きじゃないとか言ってた、おじさん。めっちゃ優しくない?しかしながら、優くんと違って背が低いなぁ。でも顔はかっこいい感じなんだね。モテそう。


「ここ」


「ありがとうございます!借ります」


「どうぞ」


そっけなく戻るところは、優くんに似てる気がした。トイレの中は広いし、綺麗だし…こんないいとこに住んでる人と優くんが知り合いなんてすご!

リビングに戻るとパソコンで仕事してる。


「お仕事大変ですね」


「ん?いや、今だけだよ?」


かっけー。絶対頭いいに違いない。

すると、誰か玄関から家に入ってきた。チャイムなし?


「あ…こんにちは…」


とりあえず挨拶してみた。誰かな…女の人。


「え?誰ですか?」


俺は不審者に見えたようだ。


「引越し業者」


守さんはあっさり答える。俺は業者なの?


「あら、ありがとうございます」


「いえ…」


「お願いしますね」


「はい!」


なんか、スーツのお姉さんは、仕事できそう。


「あの、守さんの…奥さん?」


「そうだよ」


今度は全然こっち見ないでパソコン見ながら答えた。なんか、やっぱり優くんに似てるかも!そっけない!

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